勝手に父親育児スキル選手権大会
ついに始まりました。
始まりましたね。
父親育児スキル選手権です。
これ、説明お願いしてもよろしいでしょうか。
はい、父親育児選手権とは父親の育児スキルアップを目指すための大会です。
………もうひと声お願いします。
はい、日本ではまだまだ父親の育児参加が遅れている状況です。育児のなかで重要と思われるスキルをいくつか抜粋し、競技化。父親は競技に参加しながら育児のスキルアップを図れると同時にその姿を通じて父親の育児参加を高めていくのが選手権大会の狙いです。
なるほどです。
ちなみにこれは女性は参加できないんですか?
さあ、では競技を紹介していきましょう!
あ、無視ですか。
この選手権では4つの個人競技を行い、それぞれの総合得点で順位が決まります。
スピード調乳
お粥うらごし500g
寝かしつけ自由形ペア
ベビーカー障害物走
ぜひ見どころを教えてください。
スピード調乳では
与えられるのは70℃以上のお湯と常温の水、森永E赤ちゃん粉末タイプ(こちらはスポンサーからの協賛です)から37℃のミルク50ml、100ml、200mlをそれぞれ作り、その合計のタイムを競うわけですが、お湯や水の温度はランダムで出てくるので、これを瞬時に見極め、頭の中で計算して37℃にする量を計るかがポイントです。
お水入れすぎてぬるくなっちゃったりするんですよね。
正確で素早い調乳は母乳が出ない男性育児参加の基本ですからね、まずはここからスタートです。
なるほどです。
次はお粥うらごし500g
ミルクの次は離乳食ですか
そうです、基本の10倍粥ですが、うらごしすることで赤ちゃんも食べやすくなりますからね。育児に必要な乳児のことを考えた丁寧な作業、これが求められます。
勝負のポイントはどこになるんでしょう。
これは手先の器用さと腕力です。
腕力…。
持久力を含めた腕力ですね。
腕力は乳児を持ち上げる際にも必要になりますしね、育児全般に重要なスキルです。
腕力はスキル…。次はなんでしたっけ、水泳?
寝かしつけ自由形ペアです。
これは選手自身のお子さんとペアを組んで行うもので、昼寝の時間を使います。自由なやり方で子どもを寝かしつけるんですが、昼寝の前後の時間も採点の範囲に入ります。入眠までの時間、睡眠時間も大事ですが、昼寝までのプロセスが大きく評価されます。空腹じゃないか、疲れすぎて興奮してないか、枕元に危険なものはないか、さまざまな角度から審査されます。
日頃の睡眠スケジュールとかが大きく影響しそうですね。
まあ、そういうことです。
最後はベビーカー障害物走
これはわかりやいですね。ハードル走的なやつですよね。
ベビーカーに乳児を乗せて家の外に出れば、様々な困難に直面するでしょう。ちょっとした段差や満員電車、エレベーターやおむつ替えスペースがなかったり、それらは単なる障害ではなく、社会がむき出しにしてくる育児への無理解です。これをわかりやすく可視化、コースに見立て、ベビーカーで走ってもらうのがこの競技です。ただ安全を考慮してベビーカーに乗せるのは子どもではなく10キロの重りになります。
ちょっとわからなくなってきました。実際はどんなコースになるんでしょう。
コースはトラック一周400mほどになり、そのなかに障害が4つほど設けられています。
まず狭い歩道です。
前から歩いてくる人をうまく捌きながら100mほど進んでいただきます。
どう声をかけるかのコミュニケーション力も必要そうですね。
その通りです。
つぎは電車です。
コース上に置かれた2両の丸の内線、混雑する車内を揶揄や罵声に耐えながら50mほど進んでもらいます。
これはただただ辛いですね。
3つ目は階段です。街中ではベビーカーの1番の障害になりますよね。
これはシンプル!
階段の前に30代会社員男性(競技スタッフ)がおりますので、彼と協力してベビーカーを階段上まで持ち上げます。
え、なぜ会社員男性が?
職場の理解は実は大事です。そういうメッセージがここにはあります。
メッセージ…。
助け合いが大事なんですよ、ひとりで抱え込まないで、ということです。
…はい。
最後は水が入ったバケツが渡されるので、これを重りと交換してベビーカーに乗せ、ゴールテープまで駆け抜けてもらいます。途中には段差や放置自転車、路地を爆走する車などが用意されているので、これらに注意しながらできるだけ水がこぼれないように進みます。こぼれた水の量に比例してタイムがプラスされます。
ふむふむ。最後は普通の障害物走って感じですね。
以上でしょうか。
はい、これが父親育児スキル選手権の全容です。
それではやっていきましょうか!
やりません。
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