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真夜中にマイク



やっぱり、なかなか眠れなかったので、カラダに従って寝るという行為をあきらめた。
もう二時をすぎているし、本は先ほど読み終わったので、映画を観ようと思って。
レコーダーの中を彷徨っていたら、なかなか決められなかくて、それで、目をつむってみる。
リモコンの↓ボタンを押しながら、ひとりで安定のドラムロールを口にする。
「ドゥルルルルルルル。(結構リアル)」
そして「ジャンッ」と言いながら、リモコンの決定ボタンを押すと、『私立探偵濱マイクのサクラサクヒ』だった。 



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「あ!いいやん!マイクちゃん、好きやわぁ。」と思いながら、再生されているそれを眺める。
するといつものように、その何度も繰り返しみたストーリーに吸収されて、ドラマの中に意識を浸す。



このドラマは、サクラが登場する。
うつくしく風に揺れながら散る桜の花に、人生の儚さを重ねてみたりして、物語は出発する。



簡単なあらすじは、私立探偵の濱マイクの元に中国人女性が訪ねてくる。
その女性は古ぼけた写真と、亡くなった母の手紙を持っていた。
そして、この写真の人に、母の手紙を渡してほしいという依頼をする。
そこから物語はスタートして、サクラの花のように、やわらかく物語は進んでいく。


サクラが咲く頃は、別れと出会いが入り混じる季節で。
それがサクラの散る姿に重なって、よりジンジンと、しびれるような塊が襲ってくる。
「うぁ、きれい。」と思うと同時に、「散ってしまう。」という儚さを肌で感じてしまい、ひとりでたじろぐ。
それは、サクラというワードに反応してしまう遺伝子が、きちんと私のカラダの中に整列しているんだと、ひとりで黙々と思う。


そうしているうちに、物語は佳境を迎える。
結末はぜひ観ていただきたいので、あえて言わないでおこうと思う。


そしてひとりで、物語に溶けてゆく。

ちょうど午前三時。


私はひとりでエゴラッピンを聴きながら、今年に窓から眺めた、サクラの木を思い出して、目をつぶった。





エゴラッピン/くちばしにチェリー


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