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blender 4.1 基本のパーティクルヘアで作るボタニカル

キャラクター造形以外でも、なにかと使い途の広いパーティクルヘアシステムですが、設定項目が多く、すこしわかりづらいところもあります。

そこで、ここでは、ごく基本の設定を使い、小花などを作りながら、パーティクルヘアの基礎を確認しています。


環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



準備


パーティクルヘアのベースとなる球を作成する。

  • 半径 0.05 m の ICO球を追加

  • レンダープロパティで、レンダーエンジンに Cycles を選択

最大サンプル数は 48 とした。EEVEEでも可能だが表示や設定は異なる。

レンダープレビューに切り替え、ビューポートシェーディングのプルダウンから、「シーンのワールド」のチェックを外す。

プレビューでも HDRI 照明が当たるようになる。

ただし、本番のレンダリングでは適用されないため、最終のレンダリングを行う場合は、チェックを入れ直し、通常のライトを適用する。

  • パーティクルプロパティを表示

  • 右の + ボタンを押し、「ヘアー」を選択



01

Emission - Hair Length, Number

  • 初期値のヘアー長さ 4 m は長すぎるので、0.008 m ( 8mm )に変更する。

  • 数も初期値ほど必要ないので、ここでは少なめに、300 とした。

Hair Shape - Diameter Root, Tip

  • 同様に初期値では太すぎるので、「ヘアー形状」を表示し、根本と先端の太さを適宜変更。

根本の直径 0.08 先端 0.06

Children

「子パーティクル」を表示、「補間」を選択、表示数、レンダリング時の数、ともに 30 とした。

発生「数」そのものを増やすより、処理に負担が少ない。

Kink

「ねじれ」を表示、ねじれタイプは「三つ編み(Braid)」とし、各値を適宜調整した。


ベースの ICO 球に、黄色のマテリアルを適用した。

デフォルトのマテリアルにベースカラーのみ変更


02

Clumping - Clump

設定自体は上と大きな違いはないが、やや「ヘアー長」を長くし、「集結」の値を 1.0 とした。

「ねじれ」はここではオフにした。


ベースの ICO 球に、青紫色のマテリアルを適用した。



03

Particle Edit

下の形状のオブジェクトを作成した。

高さ 8 cm ほど

パーティクルヘアーの設定は、「発生」「子パーティクル」「ヘアー形状」を、適宜、調整したのみ。

「パーティクル編集」モードに切り替え、ブラシの半径や強さを設定。ブラシがけの要領で、すこしヘアの方向などを整える。

マテリアルを適用した。


04

Vertex Group

下のオブジェクトを作成する。

高さ約 8 cm
  • 編集モードで、下の辺を選択

  • データプロパティを表示し、「頂点グループ」の、+ ボタンをクリック、「割り当て」を適用。

頂点グループ名は、任意で、Custus とした。

Vertex Group

パーティクルの設定は、数、長さ、太さ等の調整以外はほぼデフォルトだが、「集結(Clumping)」の数値を、すこし例外的な値にした。

頂点グループを表示し、密度、強さに、上の Cuctus グループを指定した。

頂点グループを指定することにより、割り当てされた頂点のみにヘアを発生させることができる。

黄色のマテリアルを適用した。

ヘアを無効した緑色の複製オブジェクトを、すこし外側にかぶせた。


05

Instance Object

下のようなオブジェクトを作成し、左は Parts と名前を付けた。右は 0.01 m の ICO球。

ICO 球にパーティクルヘアーを適用する。発生「数」、子パーティクルの、表示、レンダリング数をそれぞれ 10 と少なくした他はデフォルト。

これまでと異なるのは、「レンダー」 を表示し、レンダリング方法を「オブジェクト」として、インスタンスオブジェクトに、上の Parts オブジェクトを指定している。

通常のヘアの代わりに、オブジェクトをヘアとして表示できる。


マテリアルを適用。

平面に草のオブジェクトなどを配置し、草原や芝生などを作る際によく用いられる。レンダリング方法を「コレクション」とし、コレクション内の複数のオブジェクトを表示することもできる。


まとめ


フォトリアルなモデリングで、やはりむつかしいもののひとつは草花で、とくにリアルな花は難関です。

ただ、インテリアに置くとしても、あまりがんばってバラやユリなどのゴージャスなアレンジメントは、かなりの技量とポリゴン数を必要とする上、よほどセレブなシーンにしかそぐいません。カジュアルな部屋におくとしたら、上のように、あまり手間のかからない小花をおくのもひとつの手でしょう。参考まで。

しかしデフォルトで 4 m の長さのヘアは、いくらなんでも長すぎる気がします。blender は、球を作るとデフォルトで 直径 2 m と、運動会で使うようなサイズですし、なにかと縮尺が巨大です。


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