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文系の blender

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物理/光学シミュレータとしての側面も持つ blender は、理系の専門用語が頻出し、ときどき文系の頭を揺らします。そんな文系のわたしが理解できる範囲で、ライティングやマテリアル…
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2024年2月の記事一覧

文系の blender 4.0 映画に学ぶ、照明と色彩補正

作成した作品をより良く見せるには、やはり照明は大切な要素です。 また、blender のコンポジットノード上で、一般の画像加工ソフトウェアと同様の色彩補正/加工を行うことが可能で、この補正によっても雰囲気をおおきく変化させることもできます。 タイトルはややおおげさですが、ここでは、照明とコンポジットノードでの色彩補正について、映画のワンシーンを参考に、気楽にその効果を試してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本の

文系の blender 4.0 マテリアル | グラス ガラス

グラスマテリアルは cycles の得意分野で、比較的かんたんな設定で実現できますが、それだけに応用範囲も広めです。 ここでは、グラスマテリアルを、おもにプリンシプルBSDFのプロパティ別に整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本 プリンシプルBSDF、粗さ(Roughness)を 0 、IOR を 1.5 、伝播(Transmission)のウェイトを、 1.0 とした。これを基本とします。 cycles

文系の blender 4.0 怖くない生成テクスチャ

生成(Procedural)テクスチャとは、数学的アルゴリズムを使い生成された数列を、2次元(または3次元)上にプロットしてできたパターンのこと。 文系には荷が重く怖そうにも聞こえるが、慣れてくれば、マテリアルのさまざまな質感を、画像ファイルに頼らず作成できるとても便利な機能だ。 ここでは、生成テクスチャの作成の基礎と、その利用について整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本パーツ 下は、生成テクスチャの基

文系の blender 4.0 生成テクスチャ 見本帖 Vol.1

マテリアルの表面に変化を加える際などに便利な生成テクスチャ(Procedual Texture)ですが、わたしにとって、いちど作ったものの再現性がほぼなく、一期一会なところが弱点です。 そこで、自分用のメモを兼ねて、主要な生成テクスチャの見本を作ってみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 ノイズ(Noise) 数学者 Ken Perlin(ケン・パーリン)によって開発された「なだらかな」ランダム数値生成関数を使ったテクス

文系の blender 4.0 カメラ

blenderには、実際のカメラと同様の機能が備わっていますが、それゆえに実際のカメラと同じく、上手に撮影を行うためには、ある程度のテクニックが必要です。 ここでは、カメラ関連の機能の一部について整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 タイプ デフォルトの「透視投影」のほか、「並行投影」、「パノラマ状」を選択できる。「パノラマ状」では、パノラマ画像や、魚眼レンズといったやや特殊なレンダリングが可能。 「並行投影

文系の blender 4.0 マテリアル | 布

CGは、メカニカルなものよりも不定形なものの表現が苦手だという固定概念があるせいか、きれいな皺のよった布が一枚置かれているだけで、シーンにリアリティが増す気がします。 ここでは、プリンシプルBSDFのプロパティを中心に、布/ファブリック系のマテリアルについて整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本 デフォルトのプリンシプルBSDF の ベースカラーを #877E77 とし、粗さ(Roughness)を 1.0

文系の blender 4.0 フレネル? IORってなに?

あちこちに見かけはするものの、その正体はよくわからないまま使い続けていたプロパティのひとつに、フレネルや、IORがあります。 ここでは、そのフレネルと IOR について整理してみました。あくまで文系の理解範囲になります。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 フレネル(Fresnel) 下のややエッジのある球をみると、周辺部でしだいに光の反射が増しているのがみてとれるかと思う。ごく当たり前のことのようだが、これは、プリンシプルB

文系の blender 4.0 ライト - 照明

たとえ完璧にモデリングされ、完璧なマテリアルを適用したシーンであっても、照明がまずければすべては台無しだ、といわれます。 ここでは、blender で設定可能なさまざまな照明、ライトについて整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本シーン デフォルトでは、ライトが設置されていない場合も、わずかな環境光が適用されている。これを基本シーンとします。 環境光(背景光) 基本シーンから、ワールドプロパティのサーフェス

文系の blender 4.0 スペキュラってなに?

レンダーやマテリアル設定項目に頻出する、スペキュラーとディフューズについて整理してみました。中学の教科書にあるような初歩的なことのようですが、文系には初耳なことが多いかもしれません。 あくまで文系の理解範囲になります。間違いがある場合はご指摘ください。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 スペキュラーとディフューズ 物体に届いた光の一部は、表面で鏡面反射する。これをスペキュラーと呼ぶ。また、一部は物体の内部で拡散して特定の色の

文系の blender 4.0 マテリアル | メタル

金属系のマテリアルについて、プリンシプルBSDFのプロパティや、よりリアリティを加える表面の加工について整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本 デフォルトのプリンシプルBSDFの、メタリックを、1.0 とし、ベースカラーを白寄りのグレイ(hex CCCCCC) とした。 やや平板でチープな印象は否めないが、じゅうぶん金属にみえることには変わりない。 粗さ(Roughness) 上のサンプルで、どうしてもC