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年寄り笑うな 行く道だもの


母の認知症をはっきりと認識したのは
父の在宅介護をしていたとき。



家に来てくれていた在宅ドクターの一言だった

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「お母さん、認知症だね」

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父の在宅介護で、
母は心身ともに疲れていたし
しかも、元々うっかり屋さんだったので
母の物忘れが多いのは、
睡眠不足による、一時的なものだろうと思っていた。


そんな折
ドクターからしっかりと”認知症”と告げられ
私はかなり動揺した。


そうだったのか、、、、、、、




在宅ドクターが母のどこをみて認知症と判断したか、、


母が書類にボールペンで記入している時だったそう。

何十年も親しんだ、
難なく書けるはずの
自分の名前、住所などを
考えながら書いていたという。


母は認知症


動揺した私は、
早く、何かしら手を打たなくてはいけないのでは?

そう思った。

認知症についておぼろげな知識しかなかった私は
在宅ドクター、看護師さんに相談した。

医療従事者2人の答えは

「慌てなくても良いのでは」

「病院に行って認知症の検査、投薬をしたところで
劇的に認知機能が回復するわけではない。

お父さんの具合はどんどん悪化し、最後は亡くなる。
そのことでお母さんはとてもショックを受けるだろう。

そんな時に、
さぁ、お母さん!
もの忘れが気になるから、
病院に行って検査しましょう!
薬飲みましょう!と
急がせるのはどうかと。

悲しみをじっくり味あわせてあげることが
彼女の人生にとって一番大事だと思う」と。

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それもそうだな、、、


その後、
母は、父を亡くした悲しみを、じっくりと味わった。


認知症についてほとんど知識がない私。

認知症について勉強することにした。


本の紹介


この本は、コンビニに置いてあった。
まさにわたしが読みたい本!と、手に取ったのだ。



良かった点 BEST3。

・漫画で事例を紹介しているページが多い。

・同じ場面で
”家族やケアをする人が見ている世界” と ”認知症の人が見ている世界”に
分かれて書かれている。

母がどのように世界を見ているのか、初めて知ることができた。

・著者”川畑智さん”の
『認知症の方への温かいまなざし』を
本の最初から最後まで感じる。



私の決意

認知症だから、とわかっていても
ついつい何度も同じことを繰り返しされると
イライラしてしまう。
そんな私にとって救世主のような本だった。

まだまだ学ぶことは多く、完全に理解することは難しいだろう。

でも

私自身が心と頭の整理をして、
なんとか
母をあたたかく見ていけるように。。


『子ども叱るな 来た道だもの  年寄り笑うな 行く道だもの』 

永六輔「大往生」






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