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リスペクトのキモチが伝わる話し方~ことタネvol.2~

――ここは、とある会社の、とあるオフィス。そこにいるのは、人間の会社員「アオイさん」。おや、今日はちょっと緊張の面持ちですね。

アオイ:来月から参加するプロジェクトチーム、メンバーはユキ主任、ハル先輩、ナツ先輩、同期のカオルさんか。全員あまり話したことがないから、緊張するな。どんなふうに接したらいいんだろう。

アオイ:相手を尊重することが大事だって聞いたけれど、それって思っているだけでは伝わらないよね。

ポワワワ

なぞ:こんにちは。「なぞの生命体」ですよ。謎の生命体であること以外はすべて謎に包まれた謎の生命体「なぞの生命体」ですよ。

アオイ:わ、また出た!

なぞ:オバケみたいに言わんといて。

アオイ:逆にオバケとなにが違うん?

なぞ:ところでアオイさん、初めて一緒に仕事をする人たちにどうやって尊重の意を伝えたらいいのか、悩んでいるのですね。

アオイ:そうなんだよね~どうしたらいいと思う?

なぞ:(適応が早すぎか)わかりました、それでは今日はアオイさんに『リスペクトのキモチが伝わる話し方』を解説しますよ。

スライド1

アオイ:いえーい!

なぞ:リスペクトを伝えると言っても、それを何の脈絡もなくいきなり言葉にするのはなんだか違和感がありますよね。

アオイ:たしかに。「オッス、おらアオイ!皆さんをリスペクトしてるぜ!」って言われても「はァ???」ですよね。

なぞ:そう、だから、直接的な言葉にするのはなくて、日頃からの話し方でリスペクトのキモチを伝えることが大事なんですよ。

アオイ:日頃からの話し方?

なぞ:まず、基本のポイントはこちら。

スライド2

なぞ:順番に解説しますね。

1.名前を呼ぶ
あいさつしたり話しかけたりするときには「〇〇さん、お疲れさまです」のように名前を呼びかけること。いつもそうしていると、相手には「自分に向けて言ってもらっている」→「自分を尊重されている」という感覚が少しずつ積み重なっていきます。

2.尊敬語・謙譲語を使う
「です」「ます」はもちろん使っていると思うけれど、社内で尊敬語・謙譲語までは使っていない人も多いのでは。そんな中できちんとした敬語で話しかけられると、相手は尊重されていると感じられて嬉しいものです。それに、サラッと使いこなせるとカッコイイですよ。今後の社外対応の練習にもなりますしね。

3.手を止めて体ごと向く
デスクワーク中に話しかけられたりした時、手を止めて返事をするのはもちろんですが、顔だけでなく、体ごと相手のほうを向くようにすると、相手は「自分と会話することを大事にしてもらっている」と感じることができます。ちなみにもし忙しかったら「申し訳ありません、いま手が離せないので〇分後でもよろしいでしょうか?」と聞くのもアリですよ。

4.あいさつは「言→礼」
あいさつをするときは、言いながら頭を下げるのではなくて、言ってから頭を下げるだけですごく丁寧に見えます。あいさつに限らず、人間の動作って2つのことを同時にやると雑に見えるんですが、1つずつやるようにするだけでとても丁寧に見えるらしいですよ。

アオイ:なるほど~。私、こういうのつい雑になりがちかも。気を付けよう。

なぞ:忙しくてそこまで気を配れないこともありますよね。忘れても、また気づいたらやることが大事です。途切れてもいいので辞めずに続ければ、かならず習慣化できます。歯磨きみたいに「やらないと気持ち悪い」レベルになったらこっちのもんですよ。

アオイ:(なぞ に歯磨きの概念あったんだ)

なぞ:では、次は応用編です。

スライド3

なぞ:こちらも順番に解説します。

1.受け止める・否定しない
今回のプロジェクトのように複数名で一つのことに取り組む場合、意見が異なることも出てきます。そんなとき「いやいや、でも」と否定から入るのではなくて「そうなんですね。私は……」というように、否定せず受け止めてから自分の意見を言いましょう

意見の交わし合いは、どちらかを否定するためではなく、あくまでも仕事でいい結果を出すためにすること。目の前の意見の相違にとらわれず同じゴールに向かっていることを見据えて、相手を尊重しつつ変な遠慮は無しで意見を交わし合えるといいですね。

2.言葉を略さない
雑に聞こえない話し方のコツです。例えば「そっちに置いときました」ではなく「資料はそちらのデスクに置いておきました」というふうに、言葉や文字を略さずにいうと丁寧に聞こえます。ミスコミュニケーションも防げますね。

3.ポジティブな感情を伝える
相手に対して、どんな小さなことでも(むしろ小さなことこそ)ポジティブな感情を抱いたらそれを言葉にして伝えることです。例えば何か教わった時に「教えてくださってありがとうございました」だけでなく「教えてくださってありがとうございました。〇〇さんの教え方がとてもわかりやすかったので覚えやすかったです!」ということですね。

また「〇〇さんのスピーチは素晴らしい」と”評価”を述べると上から目線に聞こえますが「〇〇さんのスピーチで感動しました」というように”感情”に置き換えると謙虚さが伝わります

4.相手を立てる
自分のやったことがうまくいった時こそ、他者(メンバーなどの関係者)を主語にして「〇〇さんのおかげです」「〇〇さんが協力してくださったおかげです」と伝えることです。そう言われると相手は「この人にはまた協力してあげたい」という気持ちになりますから、結局は未来の自分を助けることにつながります。

アオイ:こうやって聞いたらできそうな気はするけれど、いざとなったら本当にできるかな~。

なぞ:大丈夫ですよ。いっぺんにやろうとしたり、いきなり難しそうなものからやらなくても、まずはいちばん簡単そうなものを一つやってみたらいいんです。

アオイ:わかった!じゃあとりあえず「否定しないで受け止める」っていうのをやってみようかな。「そうなんですね」から話し始めればいいんだったら私でもできそうだから。

なぞ:そうそう、そんな感じですよ。言えそうなフレーズから始めてみてくださいね。

ポワワワ

アオイ:消えた。また来るのかな。

――というわけで、北村朱里のマガジン「明日の仕事が楽しみになる ことばコミュニケーションのタネ」次回11月7日更新のテーマは「受け入れられやすい意見の言い方」です。お楽しみに!

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