キタキタボーイ

元CMディレクター。私的なカルチャー批評です。日記っぽく自分の生活と絡めて書こうと思い…

キタキタボーイ

元CMディレクター。私的なカルチャー批評です。日記っぽく自分の生活と絡めて書こうと思います。主に映画とか深夜アニメについて語れれば。 音楽は苦手です。何卒。

最近の記事

「PLAY」リューベン・オストルンド

 大学生の時「フレンチアルプスで起こったこと」で初めてリューベン・オストルンドを知った。その後「ザ・スクエア」や「Insident by a bank」などの冷笑的な眼差しに都度都度興奮を覚えていたが、今はまったくそう思わない。おそらく肥大した自意識に寄り添ってくれる監督だったからだと考えているが、今はそれほどでもないので「あぁ、オストルンド先輩、あいかわらずっすね」というドライな感想しか出てこない。ごめんね、オストルンド先輩。  だから、先週「逆転のトライアングル」を観た

    • 「殺人者たち」ドン・シーゲル

       締め切りギリギリまで脚本を書いた翌日、特にすることもなくダラダラしていると哲学者から連絡が。 「ドン・シーゲルの殺人者たちを観てくれ!!!」  熱量に押された私は、初の菊川strangerへ。途中入場できないだの上映中トイレに行けないだの、二郎ラーメン並にルールの厳しい(最近はそうでもないらしいが)と噂のこの映画館。私はしっかり10分前に到着しトイレを済ませ、左奥側の座席についた。椅子は若干チープな感触だが、その上にベロア生地を貼り付けて上品さを保っていた。私はベロア生

      • 深海

         令和に入って一番サイアクな朝を迎えた。失業保険を受給しながらジワジワ近づく将来への不安からか、会社を辞めるまでして賭けた大学院受験に失敗した過去からか、はたまた無職であるのにも関わらず同棲中の彼女から子供や犬をせがまれる現在からか、定かではない。  人生の進路を決断するときの動機は、今後の展望を見据えたものでなければならないと人は言う。僕は去年の暮れに仕事を辞めようと思ったとき、自分の決断が正しいか否か(この考えが過ちであることを承知の上で話を進めるが)、つまり現在CMデ

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