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「継承菩薩」invisible

みやび

最近、義父の体調が少し悪くなってきた。それでも変わらぬ日常が流れていく・・・
 そんな中でのある日の一幕。
私の息子と甥、義父から見れば孫にあたる二人がちょうど家に遊びに来てくれていた。普段は、特にお祖父ちゃん子というわけでもなく、だからといって邪険にすることもない二人。そんな二人が帰り際、義父と普段はしないような握手をして帰っていった。握手をしながら目には涙を浮かべていたという。残念ながら、私はそこに同席することはできず義母から話を聞かせてもらった。きっとそこには交わされた会話があったと思うが、息子たちも孫なりに感じ取るものがあったのだろうとほっこりした。
単身赴任している夫と話している中で、息子たちの話を伝えると、「俺もこっちに戻る前、家を出るとき握手した」と言うではありませんか。ちょうど同じ週末の出来事だったが、夫は息子たちのその場面を見ていないのに握手したと言っていた。今まで義父と夫の間には何か相容れないものがあるのかもしれないと思っていた私は驚きを隠せない。
義父と夫と孫二人。みんな男性で何か通じるものがあったのだろうか。普段は気恥ずかしさなどが邪魔してできなかっただけなのかもしれないが、自然と手を取り合っていた家族の姿に、命のつながりを感じた。その場に居合わせていないので、想像でしかない。だけどそこには目には見えない絆で家族が繋がっていることを観じる。

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