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古稀のお祝い

エモちゃん

 私の都合で延期になっていた古稀のお祝いが開催された。豪華な食事と楽しい会話。あっと言う間に時が過ぎ、そろそろ記念写真の時間になった。写真を撮る前にと、小学一年生の孫が感謝状を読み上げてくれた。堂々と背筋を伸ばして、一生懸命に私を称えてくれた。私はニコニコ、ほっこりした気持ちで幸せを感じながら聞いていたが、主人は目にハンカチをあてていた。孫が一生懸命読んでいるその姿に感動したのか、読んでいる内容に共感したのか・・定かではない。

 次にプレゼントをくれた。重い箱、開けてみると、私と孫二人の似顔絵の額。孫二人は良く似て可愛く描かれていた。私の顔は・・・(え!こんなおばあちゃんなの)確かに写真を見て描いたのだろう。来ている服に見覚えはある。次に素敵な袋に入った、Tシャツをくれた。薄紫の胸に「HAPPY70」の印刷。背中には「ありがとう」(え!どこで着るの)

 一生懸命選んで買ったくれた嫁の心が嬉しく、「ありがとう、ありがとう」と言っていた。いよいよ、写真の時間になった。似顔絵の額を持って、中央に座り、準備していた時、お店の人がカメラと何かを持ってきた。濃い紫色の「巾着帽子とちゃんちゃんこ」の年祝いグッズ。(うそ~‼)お店の人はニコニコと「お客さまの中には、嫌がる人もいるんですよ」と言う。(私だって嫌だ、絶対嫌だ)しかし、「え~、着るの~?」と笑いながら帽子をかぶり、ちゃんちゃんこを着て、額を持ち中央に収まった。数枚の写真を撮り、息子夫婦が設定してくれた有り難い「古稀の祝いの会」は終了した。嬉しい、有り難いという感謝の中にも、一瞬「え!」と思う有り難いと思えない心が動く。常に心と言葉は、同一にしたいと思っているが、出来ないことも有ることを知った。似顔絵の額はリビングに飾り、Tシャツは3回着ている。

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