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うちのちっちゃな物語

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これは、立正佼成会の女性教会長たちの「うち」で起こった物語。 どこのうちにもあるような事件。あるいは見逃してしまいそうな些細なできごと。 夫婦のこと。子育てのこと。嫁、姑のこと…
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#家族

家族は生きもの

風になびく柳 家族は生きものかも知れない。 「☆♯$※!★¥%になる?」 「えっ、なに?」 「だから、☆♯$※!★年になる?」 テレビを見ている夫のそばで趣味の本を読んでいた私は、せっかくの楽しみを中断されたようで、少しムッとし「何言ってるか分からない」と返した。いつの間にか夫婦共に高齢者の仲間入りをし、活舌が悪くなり、おまけに聞き取る力も衰え、老眼鏡が手放せない。 「だからさ、俺たち結婚して何年になる?」 どうして急にそんなこと聞くのかと思いながら、夫の見ているテレビ

古稀のお祝い

エモちゃん  私の都合で延期になっていた古稀のお祝いが開催された。豪華な食事と楽しい会話。あっと言う間に時が過ぎ、そろそろ記念写真の時間になった。写真を撮る前にと、小学一年生の孫が感謝状を読み上げてくれた。堂々と背筋を伸ばして、一生懸命に私を称えてくれた。私はニコニコ、ほっこりした気持ちで幸せを感じながら聞いていたが、主人は目にハンカチをあてていた。孫が一生懸命読んでいるその姿に感動したのか、読んでいる内容に共感したのか・・定かではない。  次にプレゼントをくれた。重い箱

「〇〇さん、おはようございます」は魔法の言葉!

2023.11.1 金木犀 我が家は、主人と義母と私の3人家族。主人は海外出張が多く、結婚して45年の半分は離れて暮らしていました。昨年末、主人が定年になり、一緒にいる時間が増えました。中学生の頃からお互いを知っているので、些細な事で口論になります。 先日、私は台所の流しで野菜を洗いながら、コンロでお湯を沸かして、夕食づくりをしていました。主人が手伝おうとし、コンロと流しの間にある食洗機の中の食器を取り出してくれました。その時、鍋のお湯が吹きこぼれてしまいました。 主人