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うちのちっちゃな物語

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これは、立正佼成会の女性教会長たちの「うち」で起こった物語。 どこのうちにもあるような事件。あるいは見逃してしまいそうな些細なできごと。 夫婦のこと。子育てのこと。嫁、姑のこと…
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#夫婦

見つかった糸口

紅しょうが  その日は「夕飯は焼きそばね!」と主人に宣言して出勤しました。一日を終え、さあ帰ったらおいしい焼きそばを作ろう~と車を走らせました。朝からの強風が夕方になって更に強まり、並走する高速道路が閉鎖され一般道が混み始めました。  ナビで混み具合を見ていて初めは余裕がありましたが、進まなさ加減に念のため主人に「お肉だけ解凍お願いします」とLINEをしたところ快諾…それでも中々進まない車に、最後は「焼きそば焼いて!」と伝えると全力で「ムリムリ!」の返事。カレーや麻婆豆腐

家族は生きもの

風になびく柳 家族は生きものかも知れない。 「☆♯$※!★¥%になる?」 「えっ、なに?」 「だから、☆♯$※!★年になる?」 テレビを見ている夫のそばで趣味の本を読んでいた私は、せっかくの楽しみを中断されたようで、少しムッとし「何言ってるか分からない」と返した。いつの間にか夫婦共に高齢者の仲間入りをし、活舌が悪くなり、おまけに聞き取る力も衰え、老眼鏡が手放せない。 「だからさ、俺たち結婚して何年になる?」 どうして急にそんなこと聞くのかと思いながら、夫の見ているテレビ

ほんとうの優しさ

のんのん もうすぐ36回目の結婚記念日。 主人とは、万灯行進を先導する纏の練習がきっかけで出会いました。そして、所属する教会の仏さまの前で結婚しました。 数え知れないほど喧嘩もしました。わがままな私を見かねて、2度ほど離婚を考えたことがあったと主人は言っていました。私も、ふっと教会の仏さまの前に行くと、反省の心が湧き、また向き合いながら歩んできたなーと思います。よくぞ、長い間共に人生を歩んでこれたと思います。 ある日、主人が最寄りの駅まで送ってくれました。ふっと、「どう