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17.面接とは、話すことと聴くことの両方でできています。

面接に行った会社は、外苑前の銀杏並木の近く、小さなビルの小さなエレベーターを上がったところの小さくておしゃれなデザインオフィスでした。ここはないな〜とエレベーターを上りながら私は思ってしまいました。その直後に、私のなかのピスタチオが「なんで」と問いかけてきました。私は、人は成長していく「べき」だと信じていて、コピーライターとしてどんどん大きなことができるような会社に行く「べき」だと思っていました。でも、自分史上最も大きい会社に行ったら人間関係がやたら複雑で、ものを作る喜びは10年間で3回くらいしか感じることができませんでした。私には、合わなかったのです。そのなかで生き生きできる人は必ずいます。すべては自分にしっくりくるかどうかなのです。なのに今私は、エレベーターが小さいから「ないわ」と判断した。それを自分のなかで止めた人がいたのでした。

面接官は、私と同じ年齢の男性でした。かつて偶然にも同じクライアントを担当した経験があることを知りご縁を感じつつ、最初の面接は90分に及びました。代理店では、来る人みな「自分の役に立つのか」という視点で見定める風潮がありました…てそれ、私がそうだっただけかもしれないですけど。
でも、その面接はちがいました。「うちはこういう会社です。こういうダメなところがあります。でもこういうところは良いです。さて、あなたは何ができますか」話し、聞く。どちらかだけではコミュニケーションは成り立ちません。その両方がかなり高いレベルでできる人が最初の面接官だったのです。コミュニケーションの仕事をしているのに、自分の言いたいことばかり相手が話しているときに考えている。この面接で、そうではないものを私は感じました。面接は、とんとんと進みました。2週間後には、内定を頂けました。そして今、その会社で働いて半年になります。

ここで、私がこのマガジンの15.で書いた「働くことに求めるリスト」を
振り返ってみようと思います。

① Sさんのような人がいないところ
→いませんでした。私は「言う方も性格悪いけど、言われる方も悪い。うまくやらなくちゃ」という空気や思い込みがどれほどの悪であるかを改めて理解しました。
② 制作会社と会社の板挟みが辛い
→クライアント(中小企業相手なので代表が多い)と直接話し、自分である程度自由に作れるので「板挟み」はなくなりました。
③ コピーを書きたい
→毎日、書きに書いています。しかも、取材の仕事も多い。モノ売るコピーはほぼなく、得意な分野で書けています。クライアントによく褒めてもらって嬉しいです。
④ ひどい残業がない
→いまのところないです。多くても1ヶ月30時間くらい。ノートPCを支給してもらっているので、土日ささっとやることもできます。
⑤ おしゃれな環境で働きたい
→色々意見はありますが、おしゃれな方だと思います。
⑥ 朝のラッシュを免れたい
→10時スタートということで入社しましたが、途中で裁量労働制になり、基本的に何時に行ってもよしとなりました。不安がなくなったからなのか、混んでいる電車も乗れるようになりました。
⑦ 年収を上げたい
→上がりました。これからも上げられる余地は見えてきました。

私の希望は、すべて叶っていました。


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