![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25602050/rectangle_large_type_2_1e356030d622c525aa354569b235f255.png?width=800)
給付金と補助金、同じ「持続化」でも全然別モノ
5月1日からはじまった持続化給付金ですが、11日の時点で70万件の申請があるとか。すでに8日で2万5千件の事業者に支給が完了しているようで、さらに10万円で切り捨てていた分はまた別途支給となるようです。
これからも申請はどんどん増えてゆくと思われますが、2週間での給付を目指す方向に変わりはない様で、現場の方々のご苦労には頭が下がります。
2020年に開業した人は持続化給付金の対象ではない
支給要件に、2019年以前より売り上げを上げている事業者が対象とあり、給付額の算定にも2019年の総売り上げが使われているので、2020年に開業した人は、残念ながら本給付金の対象ではありません。
そういった中、某政党の党首様が「持続化補助金で対応可能」とツイートしておられました。
本当に対応可能なのか、煽りでもなんでもなく違いを見てゆこうと思います。
あらかじめ、私見を申しますと、対応可能ではないと考えます。
申請要件(対象)の違い
ちゃんと違いを見て行って、そのうえで再度考えを述べたいと思います。
混同を防ぐために、補助金のほうを正式名称である「小規模事業者持続化補助金」と呼びます。
まずは申請要件です。
※1 小規模事業者は以下の通りです
給付金の要件が大企業でなければ可であるのに対し、小規模事業者持続化補助金のほうは「小規模事業者」に限定されております。
また、設立要件は確かに小規模事業者持続化補助金は開業さえしていれば申請は出来ます。
また、小規模事業者持続化補助金のコロナ特別枠に応募する際は、サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビ ジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の整備」のいずれか一つに1/6以上の投資が必要で、その計画を記入する必要があります。
そして、不支給、補助対象外事業(事業者)についてです。
小規模事業者持続化補助金のほうが対象外が多いです。
一方で給付金は、上記の業種以外は要件を満たせば支給対象になりえます。(5/13現在)
ここまででわかる通り、そもそも対象が違います。
とはいえ、これだけでは給付金の代用措置として小規模事業者持続化補助金の活用ができないとは言い切れないのでもっと違いを見てゆきます。
交付までのスケジュール
通常、補正など不備なければ2週間で入金となる給付金と違い、小規模事業者持続化補助金のほうは審査期間がまずは1か月~2か月あり、そこから事業を行い、最終的に清算をしてからの給付となります。
ただし、今回の小規模事業者持続化補助金コロナ特別枠に応募する場合、概算払いが認められており、採択金額の半額が採択決定後、即時に入金されます。(上限100万円の場合50万円)
金額
持続化給付金は、一定の計算式に沿って算出された金額のうち、上限額まで定額で給付されます。(上の表に書いた計算式は一般的な計算式です。特例については別途、お調べください。)
一方、小規模事業者持続化補助金は補助率が定められており、投資した金額の2/3、上限額までの補助金が交付されます。
申請方法
そして、ポイントとなってくるのが申請方法です。
小規模事業者持続化補助金のほうが必要書類が多いです。
また様式2に事業計画などを記載する必要があり、その内容次第では不採択もあり得ます。
そして様式3または4は商工会または商工会議所に記載してもらう必要があり、(推薦状のようなもの)この発行に多少の時間がかかります。
その他
返金義務は基本的にはありませんが、不正受給が認められたときは不交付または返金の措置が取られます。当たり前ですが。
収益納付とは交付された補助金から収益が直接的に生じた場合、その分は国庫に返納する必要がありますが、持続化給付金はそもそも給付金の使途に限定はありませんので、その必要はありません。
補助金のほうは収益納付があります。例えば、非対面型ビジネスモデルへの転換としてECサイトを構築する際、補助事業期間中にそこから生じた売り上げは収益納付として返金または交付される補助金からさっぴかれることになります。
また、申請回数は現在のところ持続化給付金が1回のみにしているのに対し、小規模事業者持続化補助金は採択後、一定の期間を経過すれば再度別の事業で補助金申請が可能です。
一定期間とは、採択された事業の期間経過していることで、不採択の場合は、次回の締切りまでにもう一度申請することが可能です。
ただし、採択された事業者はまったく違う事業でも同じ補助金に申請する際は減点措置が取られます。
まとめ
結局のところ、制度が全く違い、そもそも小規模事業者持続化補助金は事前の投資が必要となります。
ほぼ無条件で(売上50%以上減少という要件があるが)、要件さえ満たせば一定額支給される持続化給付金とは違い、給付されるためには審査を通過し、また(概算払い以外では)支給も約1年後といった意味では、同じ持続化でも「まったくの別モノ」ととらえるべきではないかと思われます。
で、結局、持続化給付金の代わりに小規模事業者持続化補助金はなるかという意味では、正直「ならない」と考えたほうが良いと思います。
ただし、余力とやる気があり、アフターコロナを見据えて取り組んでゆく小規模事業者にはとても有用な制度ですので、要件をご確認の上、利用してみるのも良いのではないでしょうか。
ネックである申請書もコロナ特別枠では簡略化されており、申請も多少(ほんとに多少)しやすくなっております。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?