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【日記】呼び方には理由がある


 短い日記です。


浅井健一

 先日、友人のご家族がAJICOのライブに行ったとのことで、

「『ベンジーかっこいい~』って言ってて」
 と言ったので、何の気なく、
「あっ浅井のことベンジーって呼ぶんですね」
 と返したら、腹を抱えて笑われて。
「ベンジーと呼ぶことをよしとしない古参ファンしぐさ! いいですね!」
「バカにしてないです?」
「とんでもない!」

 どうも釈然としませんが、90年代にロッキング・オン・ジャパンの編集長・山崎洋一郎の書いたインタビュー記事を読んで、
「ブランキーかっこいい! ブランキーのよさをわかる私はすごい!」
 とかどうしようもない選民意識を抱いていたのは事実なので……。
 浅井健一がファンの間で『ベンジー』と呼ばれていることから、逆に『ベンジー』と呼ぶのはミーハーくさい……となって『浅井』と呼ぶのはどう考えても痛いですよね。

中禅寺秋彦

 似たような感じで笑われそうなのは、中禅寺秋彦についてです。

 中禅寺秋彦は京極夏彦先生の『百鬼夜行シリーズ』の謎解き役を務める、元教師で古本屋で神主で拝み屋という属性盛り盛りのキャラクターです。オカルト的な謎に見えていた現象を論理的に解き明かし、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」という決めゼリフを使います。
(ここで『主人公』とは言わないの、こじらせてますよね)
 普段は古本屋『京極堂』を開いていて、友人知人はみな屋号で呼んでいます。

 京極先生は(特に初期は)あまり名前に思い入れがなく、キャラクターの通称もペンネームも出身地のご近所の地名から取ったのですが、このシリーズがご本人が想定していたよりずっと人気が出てしまいました。
 一時期はシリーズ名も『京極堂シリーズ』と呼ばれ、作家京極夏彦とキャラクター京極堂を同一視する読者も現れ、よくない思いもしたようです。

(今ではシリーズの正式名称が『百鬼夜行シリーズ』になりました)

 数十年来『なっちオタ』をやっている私は、先生の気持ちを勝手に汲んで、中禅寺秋彦を『秋彦』と呼んでいます。

 作中誰も『秋彦』とは読んでいないのになんでだろう……『中禅寺』だと奥さんと妹さんがいるからかな……夢女子のつもりはないんだけど……
 と、自分の思考のメカニズムに謎を感じています。
 これこそ、「この世には不思議なものなど何もないのだよ」で解決してほしいですね。

岡田以蔵

 最後は、幕末の人斬り・岡田以蔵さんの話です。
 Fate/Grand Order(FGO)のキャラクター・岡田以蔵を好きになってまだ2年と少しですが、私は基本的に『岡田』と呼んでいます。
(FGOファンはだいたい『以蔵さん』と呼んでいます)

 これは非常に簡単な話で、

「滑舌がクソで『イゾウ』と言えない」

 のです。
 生まれつき舌が短く、サ行・ザ行が致命的に発音できないんです……。

 その場の雰囲気として、たとえば『イロウさん』と言っても、「たぶんこの人は『以蔵さん』って言いたいんだな」と察していただけるとは思うのですが、思うように発音できない自分と向き合うのが嫌なので避けています。

 もっと幼い頃に異常に気づかれていたらな……とは思うのですが、今は今できることをするしかないので……。

 普通でない呼び方にも、様々な理由があるのです、という話でした。

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