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ルンバのリズム考2 その歴史の一面


ルンバ・カタラーナは、カタルーニャ州発祥のルンバであるが、最初から、カタルーニャ人のすべてに、諸手をあげて歓迎された音楽ではない。
前回の投稿でも記述したが、ルンバ・カタラーナとは、ジプシー音楽と、キューバ・ルンバが融合した第3のルンバミュージックである。つまり、スペインカタルーニャ州で、ルンバ・カタラーナを演奏していたのは、殆どがジプシーであった。
当時のジプシーは、スペイン内戦の影響もあり、差別されていたので、カタルーニャの多くの人は、ルンバ・カタラーナを、一般的には下劣な音楽として見做していた。
ここで、フラメンコについて、多くの日本人が誤解していることがあるので記述しておきたい。フラメンコとは、フラメンコと呼ばれる音楽ジャンルが存在したのではなく、ジプシーが歌い演奏する音楽のことを、広域にフラメンコと呼んでいたのである。

そして、スペイン内戦後は、カタルーニャ州では、ルンバ・カタラーナどころか、カタルーニャ語すら話すことが禁止となり、しかし、逆にフラメンコは、外貨を得る為に、観光資産として擁護されていた歴史がある。当時のカタルーニャの有名なジプシーの歌手達は、フラメンコに、このルンバ・カタラーナという言葉を、暗喩していた。
つまりルンバ・カタラーナとは、このようなフラメンコと、キューバ・ルンバのMIX音楽なのである。
ところで、日本の音楽に、ルンバの母は宿っていないと、前回の記事に記述したが、その動画で私が歌っているのは、和名(別れの朝)であり、日本語で歌って演奏している。しかし、多くの日本のポップスを、あのようにルンバで歌えることは少ない。ではなぜ、あの昭和のどポップスを、ルンバ・カタラーナのリズムで演奏出来たのか?その理由は、別れ朝(Alguien Canto)の原曲、(ヒットしたバージョン)が、世界をターゲットにしていたからである。つまり、リズムから、地域的な大衆性を排斥しているので、日本人でもわかりやすいノリのリズムだったからだ。
今回は、その世界をターゲットに売り出され、大ヒットしたマット・モンロのバージョンと、それを、カタルーニャのジプシーが模倣したルンバ・カタラーナバージョン、アントニオ・ゴンザレスの演奏を聴き比べてみて、リズムの訛り方、又は取り方や感じ方の違いを、聴き比べてみてほしい。

↓マット・モンロ

↓アントニオ・ゴンザレス(ルンバ・カタラーナ)

https://youtu.be/tvcizlrpJZ0

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