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部下の一挙手一投足が気になる上司の話

「あの案件ってどうなってる?共有してよ」
「明日の朝、予定は?ちゃんと〇〇行くよね?」
「これは?どうする予定?」
数年前働いていた職場に、口を開けば部下の行動を確認する上司がいた。

彼は地方拠点から本社に異動して来たばかりで、恐らく不安を隠そうと監視の目を強めていたのだと思う。その時の部署は、それぞれのメンバーが属人的に案件担当をしており、僕もその一人だった。最初の印象から嫌な予感がしていた。

彼は『マイクロマネジメント』に憑りつかれていたのだ。
元々いた地方拠点は数人のマネジメント、確かにそれなら出来る。ただ、それに対して本社は何十人と部下がいる。物理的に全てを管理するのは無理だった。
嫌な予感は数ヵ月しないうちに当たってしまった。


部下達の間で愚痴や文句が噴出し始めたのだ。

「彼自身は何をやっているのか?」「彼の対応で時間が過ぎる」
身内の確認対応で本来の仕事が滞るんだからそりゃ不満も噴出する。僕も同意見だった。そこからは早かった。

彼がする質問に対して、皆の反応がドンドン遅くなっていったのだ。勿論彼はそういう事を嫌うので、催促の連絡がいく。そしてまたみんなとの関係は疎遠になっていく。

それは職場内で客観的に見ていて異常事態でしかない。彼はどんどん孤立していった。結果として彼が本社にいた期間は1年にも満たなかった。
因みにこの時の会社は健全経営で、彼がマイクロマネジメントしかできないのが問題だった。

その後に来た上司は権限委譲がとてもうまく、嘘のように部下達は自分の仕事に集中し始めた。それどころか、以前とは違い部下から上司に逐一報告をするようになっていったのである。「北風と太陽」を彷彿とさせた。


マイクロマネジメントの彼に話を戻すと、その後は役職も無くなり、部下達と同じ立場になっていた。
噂で聞いた話だが、その後担当した案件で問題を起こし、グループ会社に左遷されていったらしい。

人の行動管理だけをしていると、自分自身の能力が落ちてしまうのではなかろうか。これは感覚だが、マイクロマネジメントをし始めると文句を言うのが仕事になりやすい、そうなってしまったら害ある存在でしかないのだ。

マネジメントは不安や孤独との戦い。威張っていられる時代は終わった。

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