「CisとTrans」という価値概念を基盤に構成された「福岡伸一」氏の講演ムービー※動的平衡

(※一時間半、大学講義のひとコマ単位の時間)


「動的平衡」という考え方が、すべての生命体の原理的な「何かの根本価値の一部」をスライスしているように見える。


ですから、私が「写真家」から「写真をモチーフとした表現を試みよう」と決断したこの一年の中で、その価値観に割と大きく影響すると感じる。


今までの「縦軸」の学者の考え方から、「横軸の他分野に展開する必然」が現代に求められていると考えると、私にとっては適切な価値提示のひとつだ。
コロナ禍以前の講義なのにもかかわらず「免疫系」にも、言及している。
例えば、それは「臓器移植」について「免疫系を意図的に低下させないと成立しない」ソリューションという事実を確認できる事が「免疫系」の諸問題になり得るということもとっくにお見通しの感がある。


多々、現代社会の諸問題の基礎研究の成果を惜しげもなく語ってくださる。ありがたい学者のひとりだと感じた。
※つまりおおよそコロナウイルス対策ワクチンの解釈にも、根本的に影響を及ぼす基礎的な教養知識でもある。
(2016年9月の講義であるから科学的な現代の前提である事が理解できる。Covid-19は2020年2~3月の日本上陸だからその5年近く前に免疫系の基礎について語っている)



こういった生命研究学の分野は、すべての分野に接続できるように感じている。応用できるという意味だ。それは価値観の硬直化を回避するには、如何にすればよいか?という材料に最適な講演のひとつだと思う。
価値観の硬直化が、特に日本ではマイナス要因の塊となっていると痛切に都知事選でも感じた事だ。
その上、指針がないので外形的な技法で物事を左右しようとする人物が出現する。それが見た事のない価値に「見える」から興味をそそる。※まるで「選挙バブル」とでもいえよう。



その程度で、反応してしまうほど、この地域は価値観のラチチュードが狭いし、さらに狭まってきたのがこの30年なのかもしれない。
中身がなくとも技法だけでひっくり返る危険な状態に、現代日本は位置していると云える。