見出し画像

#2 Breaking2:20 大阪国際女子マラソン

 日本選手、いや世界中の女子ランナーが2時間20分を初めて切ったのは今から20年前の2001年9月30日。前年シドニー五輪で金メダルに輝いた高橋尚子が記録でも世界一になった。記録は2時間19分46秒。

 日本人2人目の2時間20分突破は渋井陽子の2時間19分41秒。2004年のベルリンマラソンで高橋の日本記録を更新した。マラソンでは五輪に縁のなかった渋井だったが日本女子マラソンの歴史にまた1つその名を刻む。

 …四千頭身との共演にも興味がある。

 そして、翌2005年に野口みずきが2時間19分12秒まで記録を伸ばした。2021年1月25日現在の日本記録。野口と渋井は同学年。(女子マラソン第7世代か!?)。

 当時、ベルリンマラソンはフジテレビが放送をしており、幸運にも2時間20分突破、当時の世界記録を含む3度の日本記録を目撃することができた。

 高橋尚子の2時間20分突破から20年、日本選手では3人しか踏み入れていないその領域に1月31日(日)、新たに前田穂南、一山麻緒が挑む。2時間20分突破か、〝日本記録(2:19:12)〟を超えるのか、あるいはもっと先を目指しているのだろうか。

 1kmあたりのペース3分20秒、5kmは16分40秒だと2時間20分39秒。

 高橋尚子が世界最高をマークした2001年のフジテレビの中継では1kmごとのペースを画面に文字で表示。実況の三宅正治アナウサーは「3分20秒」という数字に注目するようコメントした。当時の世界記録がテグラ・ロルーペ(ケニア)の2時間20分43秒ということもあったが「3分20秒」を目安に1キロごとに1秒ずつでも切ったスプリットを積み上げていけば史上初の2時間20分突破が現実のもとなるというガイドにした。

 監督の小出義雄は「2時間18分30秒」あたりを視野に入れていた。1km3分17秒ペース。5キロ16分25秒前後で押していくことはできると踏んでいたのだ。ところが最初の5キロを16分40秒をオーバーして通過したことから「2時間20分を切る」へ狙いを下方修正した。

 (出だしについては同じレースにロルーペが出場していて、しかもあまり調子がよくなかったことも影響したのかもしれない)。

 5キロ通過後、高橋のペースは上がり1km3分12秒から3分18秒前後を刻み続けた。終わって見れば最初の5キロと35キロから40キロまでの5キロが3分20秒、16分40秒ペースであとは小出の読み通り2時間18分台を狙えるペースを刻んで見せた。

 結果論かもしれないが、最初の5キロをマックスまで上げずに入ったことも余裕をもって挑めることになったのかもしれない。

 大阪国際女子マラソンを観戦する際、目安をどこにするか?

(ペース設定がどうなるのか…!?)

 今回は2001年の記憶を呼び起こしながら1キロ3分20秒、5キロ16分40秒にフォーカスしてみた。

 3分20秒で設定する場合はイーブン、あるいは中盤以降ペースを上げることを想定してのものとなる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?