鳳凰賞典決勝。俺はいつから競輪が好きなのか、十数年前の記憶を辿る旅。
競輪を本格的に見始めたのはいつくらいだったかな。
競馬と比べると結構遅かったんじゃねえかなと思う。
ディープインパクトは引退していてそれから少ししてだったと思う。
それまでほとんど見なかったのと、競輪を触ったと言ってもそこから本格的にハマるのはまだしばらく先の話だから今でも記憶があやふやだ。
現在21時39分。
タリスカーのハイボールを飲みながら記憶を整理していく事にするか。
令和も四年となっちまっては知ってる人も少なそうだけど、ディープが有馬で引退してから一カ月も経たずに「これが次のディープだ」って騒がれていた馬がデビューしたんだ。
オーシャンエイプスっつってさ、新馬戦のビデオくらいどこかで見れると思うから見てほしいんだけどあれは衝撃だったな。俺はこいつが遅れてきたダービー馬だって思っちまった。
それが二戦目であっさり負ける訳よ。
こっちはあの馬がディープだと思ってたもんだから当然有り金オールインしているのも当然って訳。
あの頃の俺って稼ぎもそんなに安定してなかったからな。良い月もあれば駄目な月もあるようなというか、まあ貧乏はしてなかったけど結構な金額つっこんだ記憶があるよ。その後に金も借りた記憶がある。
その次の週か、そのまた次の週に初めて競輪を見に行ったんだ。
餃子でも食いに行こうぜってツレが言い出してさ、車種は忘れたけどそいつがキャデラックの新車の白いセダンを買った直後だったからドライブにでも行きたかったんだろう。
それまでも場外なんかでは車券を買った記憶はあるけれど、素人ながらも本気で予想したのはその時が初めてだった。
何せ一泊したからな。
着いた当日にツレが思いっきり車券で滑ってさ、明日リベンジする的な事を言いだしたんだ。俺たちは新聞を隅から隅までよく読んだ。
うっすらと覚えているのは、その時に初めて競輪が開催単位で行う競技って知ったって事。
まあ記憶がはっきりしないから知ってた可能性もあるんだけど、「決勝でこの借りは返してやるからよ」的な事を金網ごしにツレが吠えていたのだけはよく覚えている。
そんな大した金額じゃないけど、俺もオーシャンエイプスのきさらぎ賞で財布の中身が空みたいなもんだったからそいつに車券買うゼニを借りてたから急な泊りも断れなくてって流れだった。
それで市内の温泉宿に泊ったんだ。
ここがすげえ良かった記憶があって、思い出したくてググったんだけどわからなかった。入ってすぐ左にお土産コーナーみたいなのがあって、駄菓子もたくさんある宿だった。温泉は岩風呂で、入口に雰囲気のある古いマッサージチェアが三台並んでいた。それくらいしか覚えていないけど。
あのレースはなんだったんだろうって、思い返す事もなかったんだけど調べたら第6回東西王座戦という開催だった事がわかった。今はもうないから思い出せなかったのかもしれない。
もしくは興味もそんなにない状態で初めて行った現地、さらに結果的に俺もツレも坊主で帰京する訳だから俺の脳みそが覚えなくていいって判断したのかもしれない。
優勝した選手が完全優勝だったってのは覚えていたけど、それが誰だかも忘れていた。
あれ小嶋敬二選手だったんだな。
今なら当然その輝かしい経歴なんかも知ってるんだけど、初めての現地で見たあの人が誰かってはっきり思い出したのは今日になってだよ。
そこからは一回覚えちまうとちょろちょろやる訳。
ただそんなにハマらなかった。なんだろう、今みたいに器用な色んな公営競技を楽しめなかった。
俺は競馬が好きだから、裏切れないというようなそんな若々しい気持ちもあったのだろうか。競艇もオートレースもそうだけど、あの開催単位でやるのが競馬で育った俺には受け入れるのに時間がかかったのかな。
あと平日が忙しかったような気もする。
決勝だけ買うにしても、性格上ここまでどんな走りをしてきたかが気になっちまう性分だからその調べ事が面倒だったのかな。
本当に毎日のように見るようになったのっていつからだろうと考えるとここ五、六年だと思う。それまでは記念くらいしか見ていなかったはずだ。
正直、松浦悠士でどっぷり行った感があるよ。
いつだったっけな、同じツレと伊東行って松浦を見たんだよな。その時は女の子も何人かいたんだけどカッコいい勝ち方して俺たちみんな勝ったんだ。
そのツレ、俺にとっちゃ競輪の先輩みたいなもんだろ?
それが言うんだよ。
「あいつはまだまだ上に行くから見とけ」ってさ。
そのあたりから本当に快進撃が始まったんだよな。
そうこうする内に新宿租界なんかも始まって受け売りみたいな感じで松浦を推しまくってたら、去年はついにダービー王だろ?
俺と俺のツレは五、六年前のあの伊東からそう信じてたなんてさ、なんかカッコいいじゃん。
松浦はF1でも勝てずにうろちょろしてたようなタイプだったけど、本当にめちゃめちゃに強くなったよな。俺が松浦信者なのは何年も前から有名だと思うが、それでもやばいよな。トップの中のトップ選手だぜ?
と、まあこういうのが楽しいんだ。競輪ってやつは。
感情移入した選手が、いいレースをしてくれればしてくれるほどに、なんだかこっちも元気が出る。
出来ればこれだって気に入った選手を、そんなに強くない時から応援する方がいい。
そいつが上に行けば行くほど俺も頑張ろうって思えるし、そいつが低迷している時には俺も頑張るからお前も頑張れって思えたりもする。
競輪選手ってのは博打の駒以前に、自分を重ね合わせやすいペルソナみたいな部分があるんだ。
こいつ、いつも人のために走ってんなあ
なんだこいつ、自己中で俺みてえだな
お前には作戦ってもんがねえのか、俺にもそんな事があったけど
おいおい、遠慮ばっかしてんなよ
とかさ。
ずっと見てるといつかの自分みたいな選手がいるんだって。
そういうのに自分を投影してレースを見てみるといい。競輪は楽しい。
今はSNSなんかも発達して人間性の一部が垣間見えるからさらに楽しい。
ところがだ。
俺に競輪を教えてくれたツレは、もうきっぱりギャンブルやめちまったんだ。松浦が競輪祭勝った頃くらいだからもう何年か経つのか。
ハマってたキャバ嬢を水揚げして結婚したら双子が出来たんだって。
子供の目を見たらもう勝ったり負けたり、切った張ったをしてる人生はよくないと思ったとか言ってたな。
スポーツとして付き合っていけばいいじゃんって言ったら、「俺は熱くなりやすいからそういうの出来ない」だってさ。
バカな野郎だな。
博打ってのは年を重ねるほどにゼニカネだけじゃなくなってくるってのが、俺たちはやっと分かり始める頃なんだぜ?
ガキの頃、手汗が滲み出るような金額を賭けないと楽しめなかったはずのギャンブルがさ、500円でもやっと楽しめるようになる頃なんだよ。
それは深く研究するからだ。
白髪が出てきたり、あの頃より酒に弱くなったりなんかはあるかもしれねえけど、その分だけ思考は深くなってたりするだろう。
俺やお前みたいにゲロ吐くくらい負けた回数が人より多い奴なんかなおさらだよ。
アドレナリンは、自分の組み立てた思考が合っていたかどうかって所でも出せるようになるんだ。
それなのにお前ってやつは。
じゃあ毎年やってた鳳凰賞典はどうするんだよ。引退するっつってたくせに、あの後も正月だからって去年もやってたくせによ。
「予想だけしてみてよ」
そうLINEを送った俺にお前から返ってきた答えは、
「見た感じ新田でしょ?二段駆け体制だし負けないでしょ。ズブズブの3-4からS班と浅井に流せば100%当たる」だった。
しかしこいつ昔から絶対とか100%とか簡単に言うタイプの野郎だったんだけど、それで当たったのあんまり見た事がないんだよな。
つまりこの3-4-125は外れるはずだ。
「マジかよ、ヨシタクS班なの?」
今さらそんな事を送ってきたお前に当てられるはずなんかない。
浅井の落車も知らない可能性が高いもんな。
あいつの予想が外れると決めつけるなら、新田が二段駆け不発するか、後ろの菊地が追走出来ないかって事になる。
車番を考えると初手の並びはこうかな。
16/27/834/59
まず木村が手動経緯を取りに行ってこう。
834/59
16/27
番手捲りがあるから吉田はこの仕掛けに猛抵抗はしにくい、しかしすんなり駆けさせると北日本で決まってしまう訳だから、別線は一旦下げてもどこかで猛チャージを仕掛けないといけなくなる。
このあたりの事を考えると初手で最後方になりそうな清水がレース選択の幅が増えてチャンスがありそうに思う。
三日目のホームがましもパワーがあったし、前でやり合ったところを捲りで一閃みたいな夢を見たい。ここそんな売れないと思うからつくと思うんだよな。
俺は万車券を夢見てこれで行く。
◎5-1239-12349
〇13-135-135
▲3-45-245
合計24点 ▲は押さえ程度
最後にアタックチャンス。この24点を1000円で買う方法がある。
ここで宣伝させてくれ。
DMM競輪に初回登録をして1000円チャージすると、初回登録でもらえる1000円とチャージでもらえる500円で残高が2500円になる。
俺もオッズパークとウィンチケットがメインだったけどDMMに乗り換えた。チャージバックなんかのキャンペーンが充実していて、ついこの前なんか10万入金したら11,111円もらえたり、PayPayで入金すると2.5%戻ってきたりとか色々あるんだ。
この前の報知オールスターカップ、読者諸兄は儲かっただろ?
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