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俺が新宿で保護猫カフェを始める話。物件の審査が通ったからよろしく。

はじめに

別に殺処分ゼロを目指したいとかそういう大仰な話ではない。

ペットや家畜が殺処分されるっていうのはもう人間の業というか、これをゼロにするなんて無理だと俺はわかっているからだ。

だが限りなくゼロに近づけるという目標を掲げるくらいの事はしてもいいと思っていて、例えばドイツなんかはそれを体現している国だ。

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でも見ろよ。これは俺達の国なんだけど、この調子ならもうちょいいけそうなグラフだろ?

さて、ドイツには仔犬の生体販売を行うペットショップがほとんどない。

新しく動物を飼いたい場合にはまずティアハイムと呼ばれる民間の動物保護施設に訪れてパートナーを探す。ティアハイムは最終的にオーナーが見つからない場合でも、最期まで穏やかに生活できる施設で、ドイツに500施設以上あり、そこで働くほとんどの人がボランティア。

殺処分は引き取り手がいないからという理由で行われることはなくて、末期がんや重度の病気の場合に安楽死という形で死なせることもある。

獣医による注射で行われることが多く、日本で言うなら競走馬が予後不良になった場合のような処置。

動物はしゃべれないからそれすらも人間のエゴであると前置きした上で、生きているよりも苦痛から解放するため早めに安楽死させることが動物の福祉に資するという死生観によるものだろう。

前置きが長くなったが、俺はここらへんの議論に口を挟むつもりは毛頭ないんだよな。

物事は多面的に見ないといけない。

俺なんかはホームレス支援なんかもしてるんだけど、例えばドイツのように子犬や子猫の生態販売を出来ないような法整備を進めるとペット産業で失業者が結構出るしそいつらが今度は飯に困ったりもするなんて考えるとゴールがどこだかもわからないだろう。

そもそも俺みたいなのは法律の是非や物事の善悪を語るべき人間ではない。

法律に違反したことなんかいくつもあるし、もしかしたら先週大麻を吸ったかもしれない。動物は好きでも先月あたりに人間をぐるぐる巻きにしたりして虐待したかもしれない。

それは間違っている、それは正しい。

そういうのは俺は自分で決めたいタイプだから、人の意見や議論は青くも見えない隣の家の芝生みたいなもんで、もうどうでもいい訳。

ただ、なかなか人がやらなくて、俺には結構簡単に出来る事ってあるんだよ。

炊き出しなんかもそうなんだけど、よくこの活動を立派だとか偉いだのって言われるが全くそんな事はない。

俺が毎日朝から晩まで汗水たらして働いて、自分の食うものにも困っているような状況の中で身を削って毎週炊き出ししているならそりゃあ少しは褒められたいとでも思うかもしれないが全然そうではないからな。

俺はいつからか簡単に金を稼げるようになってしまった。

デジタルネイティブ世代の若者ならいざしらず、携帯電話に長いアンテナを差していたような俺が、何故だかSNS時代にハマっちまったんだろう。

俺の発信する公営競技の予想やストリートのリアル、酔っぱらって書くポエムみてえなやつとか、俺が個人的な話で敵に真実の弾丸を撃ち込むような投稿やハリボテのメッキを剥がすような話がストレス社会にマッチしたのかもしれない。

気付いたら今も書いているこのnoteって媒体で有料記事を少し書くだけで一日何百万円っていう金が入ってくるようになってしまった。

金ってやつにはどれだけ精神力が強くてもなかなか抗えない魔力があって、そうなってくると創作活動に利用しようと思っていたこのプラットフォームも、金の事に囚われるようになってしまい本来の活動の頻度がどんどん少なくなってくる。

去年の夏にそのゾーンに入って、結局三千万くらい稼いだところで俺は我に返った。

俺が真に読んでほしいのは金がかかるこれなのか、自分をアウトプットした書き物を読んでほしかったはずなのに。未完のものだってあるのにこれでいいのかってよ。

結局金なんてのは現ナマで置いておいてもたくさんあったら重いだけ、銀行なんかに入れていてもデジタル上でゼロの数が増えたりするだけの幻みたいなものだってな。それに気付いたんだ。

もちろん金はほしいよ。人の何倍もほしい、最低でも十倍くらいはほしい。

だが、使い切れないくらいにあっても仕方がないし、金で確実に死後の世界のランクが上がるとか、例えば50億あったら死後天国で100%ハーレム状態になれるとか立証されていない以上は別にそこまで大事なものではないと思う。

しかしおかしなものでさ、じゃあ金を世間的に困っているとされる人々のために使おうとか、よく冗談交じりに言っているけど徳を積むために使おうとしてもこれがなかなか減らない訳。不思議だよな。

全て持ち出しで行おうと思って始めた炊き出しも、気付けば農家さんや食品業者さん、飲料水メーカーさんまで協賛に集まってくれて、食材費の持ち出しがほとんどなくなっちまうんだぜ?

スタッフに免許を取らせたり車を二台買ったりって、最初に金が何百万か出ただけで全然金がかからなくなった。

俺は所謂コラボをした際には恩返しとして相手のことを必ず紹介するんだけど、食材提供してくれているお店が、おかげで売り上げが増えただのって、要は金を使おうと思っても循環して返ってきてしまう状況になった。

それに俺を見ている人がこれだけ増えると元々やっている仕事の依頼も増える。

古いフォロワーなんかは知っていると思うけど、俺は昔から”切り取り”と言って所謂民間の金銭トラブルに非弁行為にならないように介入して解決を目指すという仕事や、所謂人探しというか消えちまったやつを見つけ出す調査業の仕事をしていた。

これも去年あたりから依頼がかなり増えたり、人探しに至っては情報提供が一瞬で得られるような環境が整ったことでかなり成功率が上がった。

聖書に「与えよ、さらば与えられん」なんて言葉があるけど、そうじゃないんだよな。

俺はとりあえず与えたいのよ、与えてくれなくていいから。お返しが戻ってきちまうからさらに与えないと気が済まなくなる訳で、文字通り身銭を切って良い事している感覚がほしいんだよな。多分そうだと思う。

それで最初は炊き出しの複数車両同時稼働を考えていたんだけど、こっちも格安で許可の取れる車両を売ってくれる四国のフォロワーがいたり、バイトの応募もいまだに来ている。

もう足りてるのでってお断りしている食材提供希望の方が止まらないこともあって、たいして金もかからずに軌道に乗せられそうになってきた。

運営チームも出来ているからたいして俺のやることもない。

だからって訳じゃないんだけど、他に何かやりたいなって思っていた時に前から興味があった犬や猫の保護と里親探しが思いついたんだ。

こういうのって、動物がどうのっていうよりはてめえの金儲けに使っているやつが結構多いんだよな。

クラウドファンディングが根付いてからはそういうやつもかなり増えて来た印象がある。

引退馬の牧場がどうのこうの、殺処分されそうな犬のためにどうのこうのっつって命を餌に金を集めるやつ。

そういうのかなり増えてるよな。

誰かを、何かを助けるっていう行為には力が必要になるのは仕方のない事で、金もこの世の中では力に分類されるだろう。

そういう時に、文字通り人に力を借りるというのは特段非難されることでもないと思うが、それをてめえの携帯代にしてみたりそれでキャバクラ行ったりとかよ、ちょっと違うんじゃねえのってやつ結構いるのよ。

俺は俺の力だけでこれをやる。

だがそれは厳密には俺だけの力ではなくて、なんて言うかな、もう十分に力は借りたと言うべきか。

いいねやRTひとつにしてもそうだし、俺の記事を買ったやつ、俺の作ったおもちゃや洋服を買ったやつ、何より俺の作った新宿租界というコミュニティに参加してくれていたみんな。

そういう皆のおかげで俺はこういう事が出来るようになった。ありがとう。

俺に見つかって身包み剥がされた詐欺師もご愁傷様と同時にありがとう。大事に使うぜ。

まあそれで物件を探しながら、保護猫カフェをやるにあたってどんな資格が必要かなんていうのを調べて、経験者が最低三人は欲しいなとか考えながら投稿をしていたらこれもすぐに揃っちまうのがSNSのすごいところ。

動物取扱責任者だけは身内の紹介で経験の長い人をスカウトしたが、それ以外のスタッフは募集だけで結構な数が応募が来た。センキューだよ。

驚いたのが、出店エリアの近くの獣医さんまで紹介してもらって提携してもらえることになったってこと。

驚くよな。ある程度の発信力があって、それでいてそこまで人に嫌われていなければ、大体の事はなんとかなる。そんな時代なのかな。

関わってくれた全ての人に感謝しつつ保護猫カフェのオープンへ向けてまたnoteを更新しようと思う。

こういう活動するとどうしても揚げ足取り厨が出てくるんだけど、ちゃんとやるから心配しないようにな。

経験者がどうのこうの→たくさんいるから大丈夫
かかりつけの医者がないとどうの→いるから平気
軽い気持ちでどうのこうの→重いから平気
赤字ですぐ閉店でどうの→金あるから別に大丈夫
引き取り手の審査がどうの→審査厳しいから平気

保護猫カフェの投稿をすると定期的に来る質問がこれ、一応書いておく。

炊き出しの時にも書いたけど、俺は継続的に活動できるって確信がないと舵取らないからあんまり心配しないでほしいんだ。俺はやれるから。

まあ俺が怪しいおじさんなのが悪いから仕方ないのか。

立地の紹介をする。

物件はスケルトン。場所はここ。

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天井3.5mっていうのは猫にはめちゃいいんだよ。

それで決めたんだけど先輩が隣で猫カフェみたいなのやってるから、諏訪通りを猫ストリートと呼ばせるくらいには気合い入れるぜ。

楽しみだな、保護猫カフェ。

少しでも橋渡しが出来たらなって思う。

大体猫や犬、ペットってのはパートナーだろう?

それって本来金で買うものじゃねえよ。

血統やらなんやらあるのかもしれないけれど、生まれや学歴だけで自分を判断されたら人間だって嫌だろう?

別にアバズレでも昔ヤリマンだったような女でもだよ、昔に水商売だろうがヤクザの女やってようがだぜ。

惚れちまったら、男は愛した女はお前だけなんて言う生き物なんだ。

人にブスだなんだって言われようが、てめえが好きならそれでいい訳でよ、だったら犬猫だって同じだよ。

別に捨てられたやつだって、俺たちのカフェの客と運命の出会いがあるかもしれないし、人間より少ない寿命の中で最後まで愛してもらえるパートナーに巡り合えるかもしれねえじゃん。

俺の強みは声掛けをしたら里親に立候補してくれる人が結構いるだろうなというところ。

後は本気で面倒を見てくれるかどうかなんてのを俺と運営スタッフで審査して、保護猫ちゃんの一生の居場所を見つけてやりてえもんだよな。

また進捗報告するからよろしく。

3/13追記

内装が決まった。

これは動画かなんかで着工したら解説したいと思ってるんだけど、ポイントは透明なアクリルキャットウォークと3.5mの天井まである本棚。

たくさんの本を読みながら、猫の肉球やお腹を下から見るんだ、

ごはんが何杯か食べられそうだろ?

また追記する。

7/15追記

最後の追記から四カ月も経っていた。

本日無事開店。

猫たちはフロアに出すのは一番馴れている四匹だけ、フードの提供もなしというプレオープンだったけどたくさんの人が来てくれた。

この場を借りて改めて御礼を申し上げたい。

まだ十分に人馴れしていなくて人前に出せない、もしくは猫同士まだ仲良くなっていない子はゲージでおとなしくしてもらいつつ、やっぱり開けてみないとスタッフの教育にもならないしっていうんでプレオープンしたんだ。

ここまでかかった費用は物件の契約費用と内装で1200万円くらい。

思ってたよりかかっちゃったんだけど、こだわりの内装は文句なしだから全然いい。

これからはランニングコストが家賃月25万と猫たちの病院代、人件費なんかで毎月120万円くらいかかる感じ。

週一休みとして、平均毎日5万円でも売上があればトントンで経営できそうだなと思った。

初日の売上は7万円だったんだけどこれをどう見るか。

本当は表と裏にテラス席があって、そこでフードを提供できるんだけど、それはまだ提供していない状態でこれくらい売れたのは良い事なんだけど、物珍しさもあっての客入りだったしどうなることやら。

でも大した赤字にはならなそうだなという印象。

最初にかけた費用を回収するのはなかなか難しそうだけど、それは保護猫カフェの事業単体で見た場合の事に過ぎない。

全体的に考えれば余裕のよっちゃんレベルの出費だからまあいいかなとも思う。

ただ俺は保護猫カフェ一店舗で終わらせるつもりはないんだな。

今回のBAKENEKO CAFEで学んだ事はたくさんあるし、これをノウハウとしてあと三店舗くらいはチェーンを出したい。

捨て猫情報、虐待猫の引き取り情報、はっきり言ってキャパオーバーなんだよな。

この店だけでは引き取れない。

全部が馴れている猫ならまた話は変わってくるんだけど、人間が嫌いな子たちを引き取っていると里親を探すまでの間の時間もかかるし、馴れるまでの間ゲージも占有されるし物理的になかなか難しい。

無理に増やして雑な対応もしたくないし、今は新規で引き取れなくなっている状況だ。

そうなると店を増やさないとなあと思うけどなかなかゴールは遠い。

とりあえず資格持ちのスタッフをどんどん増やして、拡大に向けて思考を巡らせながらやっていかなねばならない。

とりあえずスタッフの皆、初日お疲れ様。

遊びに来てくれた方々にも感謝のミルフィーユ。

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See u.

また追記する。

俺にゼニなんか投げるならコンビニの募金箱に突っ込んでおけ。 ただしnoteのフォローとスキ連打くらいはしておくように。