モチベーションを下げる天才

生きている中でこの人天才だな!と思うような人と出会うことは滅多にありませんが、組織の中で働いていると、この人はモチベーションを下げる天才だな!と思う人は珍しくありません。

モチベーションを下げる天才にも色々なタイプの人がいると思いますが、私が最も厄介だと思うのが、顧客のことを最優先に考えている人です。

特に、経営者や管理者などの人の上に立つ人がこのような考え方をしていると厄介です。

顧客のことを最優先で考えることは、一見すると正しい姿の様に思います。
実際、顧客の立場で考えることは重要だと思います。
厄介なのは、仕事を指示するとき、顧客のことは最優先に考えているが、従業員の働きやすさや気持ちは一切考慮に入れない人です。

特に、指示する人と指示される人で、顧客にどのような価値を提供するべきなのかという価値観が異なっていると最悪です。

まず、このような人(モチベーションを下げる天才)は、指示することに対して悪気がありません。
顧客のことを最優先に考え、「これをやるべきだ」という信念のもと指示を出すので、これが悪いことだとはつゆほども思っていません。
でも、指示をされる側は、自分の状況や気持ちを考慮に入れていないことなどすぐに察知しますし、さらに指示された内容が自分の価値観に照らし合わせると重要性が感じられないとなると、モチベーションはどんどん下がっていきます。

本人に全く悪気がないのに、1つ1つの指示がいちいち相手のモチベーションを下げるので、私はそういう人を「モチベーションを下げる天才」と呼んでいます。

正直なところ、顧客のことを大事に思っているにも関わらず、従業員の働きやすさを考慮に入れない人がいることが不思議でなりません。
顧客のことを優先しすぎるあまり従業員のことを考えていない人は、結果として顧客に対するサービスの品質を下げています。

なぜなら、
従業員のモチベーションが下がる
⇒ 仕事の質が下がる 
⇒ 顧客へのサービスの品質が下がる
となるからです。

顧客へのサービスの品質を上げたければ、従業員の仕事の質を上げることはとても重要だと思います。
そのためには、従業員のモチベーションを下げないように考慮することが必要ではないでしょうか。

私の推測ですが、モチベーションを下げる天才は、「お金」というのが一つの判断の基準となっているのではないかと思います。
顧客というのは、経営者の立場からすると、お金を払ってくれる人です。
そして、従業員というのは、経営者からすると給料を払う対象です。

そのため、お金が基準になっていれば、顧客のことを優先的に考え、従業員のことを考慮しないという価値観は理解できないこともないです。

いずれにしても
従業員 < 顧客
従業員 < お金
従業員 < 自分の都合
という価値観を持っている経営者は、モチベーションを下げる天才の素質があります。

そういう人に対する対処法は現状見つけられていません。
この人はモチベーションを下げる天才だな、ということを認識して、何を言われても気にしないようにするのが唯一の対応策かもしれません。

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