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【映画】「えんとつ町のプペル」

少し前に「えんとつ町のプペル」の映画を観てきました。
映画の感想や、映画を見て学んだことなどを書きたいと思います。

前々から話題になっていて楽しみにはしていましたが、期待を裏切らない面白さでした。
絵が綺麗で、挿入歌やテーマソングも良い感じで、声優も良い感じで、エンタメ作品としてすごく面白かったです。

物語の舞台は、町中が煙突の煙に覆われているえんとつ町。
空が煙に覆われているため、夜になっても星を見ることができない町。
主人公はルビッチという少年。
星を見ることを夢見て毎日上を見ながら過ごしている。
そこに突如現れたゴミでできたゴミ人間プペル。
ルビッチはプペルに出会い、なんやかんやありつつも、町の人々に星を見せるために2人で大きな挑戦をする。
主人公が夢に向かって挑戦する物語であり、親子の物語でもあり、友情の物語でもある。
そんな感じの映画。

それぞれの物語で泣ける要素が多く盛り込まれており、観ながら何度か泣きました。
観終わった後に振り返ってみると、色々なことが学べる映画でした。

この映画では、主人公のルビッチは、夢に向かって諦めずに頑張る挑戦者です。
最初からルビッチに協力的で応援してくれるキャラクターもいますが、町の多くの人は、星など無いと主張してルビッチを否定し、挑戦することを諦めさせようとします。
この映画を観たとき、ルビッチのことは応援したくなりますが、ルビッチを否定する人たちはとても嫌なやつに感じました。
たぶん、この映画を観た人の多くは同じような感情を抱くのでは無いかと思います。

ですが、現実の世の中では、今までの常識を覆そうとする発言をしたりすると、否定されることの方が圧倒的に多い。
もちろん、一生懸命頑張っている人を応援したい、と思う人はたくさんいると思います。
ですが、今まで常識とされてきたことを根本から否定するような発言をしたりすると、それを嫌な顔をする人はそれなりに多く出てくるように思います。
常識を根本から否定した挑戦をしようとする人を応援しようとする人はきっと多くはありません。

この映画の舞台は、空が常に煙に覆われているので、町の誰もが星を見たことがないという設定。
なので、ルビッチが星を見ようとする挑戦は、今までの常識を根本から覆す挑戦です。
それにも関わらず、これほど共感性の高い作品になっているのはなぜだろうか?と疑問に思いました。

おそらくこれは、私たち人間は、星が存在していることを既に知っているからなのだろう、と思いました。

映画を観ている人たちは、この世界には星が存在することを知っています。
だから、映画の中でも、星は存在するだろうという認識になり、星を見ようとするルビッチを応援したくなる。
そういうことなのでしょう。

仮にこの映画のストーリーが、ルビッチが宇宙人と出会うことを夢見て挑戦する映画だとしたら、これほど高い共感性は生まれなかったと思います。
宇宙人が存在するかどうかは今のところ誰にもわからない。
宇宙人なんて存在しない、と思っている人や、どっちでも構わない、と思っている人も多いでしょう。
そんな中で、宇宙人と出会うことを夢見て挑戦する物語を作成しても、高い共感性は得られそうもありません。

私たちの現実世界で当たり前となっている常識(空を見れば星が存在する)を否定する世界(えんとつ町)を作り出し、その中で挑戦をするような物語というのは、共感性が高くなるのかもしれないと感じました。

私は今のところエンタメ作品を作りたいという野望はありませんが、ここで学んだことは共感性の高い何かを生み出すときのヒントになるかもしれません。

そして最後に、常識を覆す挑戦をしている人を、否定するのではなく全力で応援できる、そんな人でありたいと思いました。

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