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よはくだいじに

けっきょく、よはく。という本を見ました。

デザインを考えるときには意図的に適度な余白を作ることで洗練されたデザインを作れるという話。
デザインに関しての知識が浅いと、できるだけ余白は無くして情報を詰め込んでしまいがちだけど、情報が詰め詰めの状態だと最も伝えたい箇所がどこかわからなくなったり、メインとなる情報の存在感が薄れてしまったりする。うまく余白を作ることによって、最も伝えたい情報を際立たせ、洗練されたデザインにすることができる。ざっくりとそんな感じの内容。

この本に出てくるサンプルは広告関連のデザインに関する内容が多かった印象ですが、資料作成とかWebサイトのデザインとか、小売店舗での商品の配置とか建築のデザインとか、いろんな分野のデザインでも応用が効きそうな内容だなと思いました。

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余白を持たせるという考え方は、デザインに限らず結構いろんな場面で重要になってくる考え方のように思います。
厳密に言うと余白という言葉は文字と文字の間の空間のことを指すようなので、それ以外の空間については「余裕」と表現する方が適切かもしれませんが。

車を運転するときには車間距離をある程度余裕を持たせて空けておいた方が何かと安全です。出かけるときには時間に余裕を持って出かけるようにすれば何かあったときにも安心です。お金にもある程度余裕を持たせて生活していれば何か急な出来事があったときにも安心です。
「空間」と「時間」と「お金」のそれぞれに余裕(余白)を持って行動することができれば、結果的に気持ちにも余裕が生まれてストレスを軽減できたり相手の立場で物事を考える想像力が働くようになる。

会話をするときや人前で話をするときには、適度に間を入れることによって伝えたいことが伝わりやすくなります。
言葉を発するときにも「余白」を作ることはそれなりに大事だったりする。

そんな感じで何事においてもギリギリを攻めたり詰め詰めの状態にするよりもある程度の「余白(とか余裕)」を作ることは大事なことなんだろうと思います。

コロナが流行してからはソーシャルディスタンスという言葉が日常的に使われるようになり、人と人との空間に適度な余白を入れることが推奨されるようになりました。
飲食店やイベント業者など、物理的に人が多く集まる方が売上が上がるような業種にとっては嫌いになってもおかしくない言葉だと思うけれど、個人的にはどこに行ってもある程度人と距離を空けた状態で過ごすには割と心地良くて、むしろこっちの方が自然になってくれるとありがたいなと思ったりもする。

最近は以前ほどコロナに対して敏感になっている人は少なくなっていて、活動時間や人数の制約はほとんど解除されるようになって、仕事でもテレワークから原則出社に戻す企業も増えてきているらしい。
コロナが収束していくことはもちろん良いことではあるけれど、満員電車や人混み、車の渋滞といった空間の余白がない状態に戻ってしまうのはなんだか切ないなと思う。

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