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デジタル化の進まない世の中

先日、市役所から実家にアンケートの調査依頼が届いていました。
聞いた話によると、市の中から6000人を選んでアンケートを送っているとのこと。
中を開くと10ページくらいの薄い冊子が入っていて、それなりの量のアンケートが書かれている。
このアンケートを見て考えたことが2つ。

1つ目は、この冊子を6000人分作成して送付するのにどれだけのコストがかかったのだろうか、ということ。
紙代もバカにならないだろうし、冊子を作成するコストも結構かかっていそう。
封筒に入れて郵送するコストもそれなりにかかりそうです。

2つ目は、このアンケートはどのようにして集計するのだろうか、ということ。
アンケートを軽く見た感じだと、マークシート形式でもないので、コンピュータで集計するのは難しそうです。
人が手動で集計するのでしょうか。

こんなことを考えてしまうのは、ITに関わる仕事をして、無駄なことを効率化しようとする思考が身についてしまっているからでしょう。
Googleフォームでアンケートを作成して、URLをQRコードにでもしてハガキ1枚送れば良いのでは?
と思ってしまった。
そうすれば、紙代や冊子を作るコストは削減できるし、集計もスプレッドシートに一瞬で出力できて分析するのも楽チン。
わざわざ書いたアンケートを封筒に入れて投函する必要もなくなる。
いいことしかないじゃん。
なぜデジタル化しないのでしょう。。

そんな疑問を実家で家族に話していたら、
「〇〇市は貧乏人が多くてネットが繋がってない人がいっぱいいる」とか「スマホを持ってない人もいっぱいいる」とか
「スマホがあっても操作できない人がいっぱいいる」とか
意味不明すぎて意味不明な理屈がたくさん返ってきた。

コロナでオンライン教育も加速している昨今、ネット環境がない家がたくさんあることは社会的に色々と問題ありまくりなのでは、、と思ったし、ネットがなくてもスマホを持っている人はお年寄りでもたくさんいるだろうし、QRコードを読み取ってボタンぽちぽちするくらいそんなに難しいことでもないし、なんならQRコード読み取るぐらいならガラケーでもできるし、、
と、反論したいことが色々ありましたが、面倒なのでスルーしました。

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似たような案件がもう一つ。

最近、車の車検が切れそうになっていたので、車屋さんに連絡して車検に出しに行きました。
すると、納税証明書が必要だから役所に取りに行って欲しいと伝えられました。
車検を行うには、車検証明書と納税証明書(あるいは領収書)が必要らしい。
てっきり車に保管してあると思っていたら、領収書は保管していなかったようです。
(正確には領収書はあったけれど、内容が古いものだったらしく有効期限が切れていた)

ということで、役所に行って車検証明書を取りに行きました。
窓口に行くと、ものの2〜3分で車検証明書を受け取ることができました。

無事に車を車検に出すことができましたが、車屋さんと役所の往復で約2時間を無駄にしました。
車検に必要な書類を把握していなかった私が悪いと言われればそれまでですが、こんな一瞬で発行することができる紙切れ1枚がなぜ必要になるのかが不思議で仕方がないです。
税金を払っているかどうかを確認したいのであれば、役所にデータがあるのだから、ネットでデータを確認できる仕組みを作れば良いだけだし、仮にシステムを作れないとしても電話一本で解決できそうな話です。
どうしても紙の書類が必要だとしても、せめてコンビニで発行できる仕組みがあればそれだけでもかなり楽です。
なぜにわざわざ役所に足を運ぶ必要が、、、
と思わざるを得ない出来事でした。
仮に仕事の都合で別の県に出張に行っていたりするとその時点で色々と詰んでしまいます。

少し前に、リモートワークになっても書類に印鑑を押すために出社しなければいけない問題が話題になりましたが、あれと似たような感覚を思い出しました。

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前置きが長くなりましたが、つまり言いたかったのは、役所の方々には早々にいろいろなものをデジタル化して欲しいとういことです。

なんのために必要なのかよくわからない書類を発行してもらうためにわざわざ役所に足を運んで時間を無駄にしている人が、世の中にはきっとたくさんいるのだろうと想像しています。

ただ、デジタル化を進めて欲しいとは思いつつも、なかなか進んでいかないのだろうな、と半ば諦めている自分もいます。

納税証明書を取りに行くときに久々に役所に行ったのですが、役所の中では非常に多くの職員と市民がいました。
色々なものをデジタル化することで、ここで働いている人の何割かが不要な人になってしまうのかもしれないと考えるとちょっと切なくなります。
また、デジタル化を進めたとしても、新しい技術を受け入れようとしないテクノフォビアな人たちが存在する限り、役所に足を運んで窓口で対応してもらおうとする人はいなくならず、結局はアナログが残ったままになるのでしょう。

こんなことを色々考えていると、何が正しいのかがわからなくなってきます。
IT技術に関する知識があるが故に、非効率なことを解決したいと考えて無駄にストレスに感じてしまう。
いっそIT技術に疎い方が、非効率なことに疑問を抱かなくてすむ分、幸せに過ごせるのかもしれない、なんて思ったりもします。
とは言えITエンジニアを育てる仕事をしている以上、そんなことは言ってもどうしようもありません。
IT技術によって世の中がもっと幸せになるように自分ができることを取り組んでいきたい。

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