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心を折るのは悪いこと?

教育に関するお話。

教育の分野でこんなことを言うのはダメな事かもしれないけど、相手の心を折る方法が知りたいと思うことがあります。
参考になる本や記事がないか割と本気で探してみたことがあるけれど、参考になりそうなものはありませんでした。
「折れない心」的な本は検索すればいっぱい出てくるけど、相手の心を折るための方法論が書かれた本は今のところ存在しないようです。

そりゃあそうか。
心が折れるというのはどう考えてもネガティブな要素が強くて、場合によっては精神的に病んでしまったりすることもあるかもしれない。
だから、自分の心が折れないようにする考え方や、一緒にいる人が心折れてしまわないようにフォローしてあげるノウハウの方が圧倒的に大事。
人の心を折るための方法論が書かれた本なんて需要はないでしょう。

でも、場合によっては心を折ってあげる方が相手のためになるんじゃないか、と思うことがあります。
客観的にみて、成長する見込みがなさそうなものに長い時間を費やしてしまうのならば、早い段階で心を折って諦めさせてしまった方がその人のためになるのではないか、と思ってしまう。
あるいは、心が折れたのにも関わらず諦めることが出来ないのだとすれば、これから先プライドを捨ててより本気で変わらなければいけないという危機感を抱いて、人として大きく成長できるかもしれない。
そう思うと、心を折る方法も知っておいて損はない気がしてきます。

簡単に他人を変えることなんてできない。
人を変えたいと思うなら、そのためのきっかけを与えて自分で気づいて変わってもらうのがベスト。
人を変えるためのきっかけの一つとして、心を折る、という手法が存在しても良いのではないでしょうか。
ただこれは、「意図して心を折る」ことが大事になってくると思う。
人は誰しも、無自覚に誰かを傷つけてしまうことがあるけれど、教育においてそれはよくない。
いや、教育の分野じゃなくてもきっとよくない。
それでは自分のことしか考えていないタチの悪い大人と何も変わらなくなってしまう。
心を折るなら、ちゃんとした目的を持って意識的に相手の心を折ることが大事になると思う。

日本では心を折る人は悪で、心が折れないように全力でサポートするのが正義という認識が一般的なんだと思う。
でも教育において絶対的な正義や悪はないし、一人一人の価値観や性格が違う以上、唯一の正解もない。
個人に最適化された様々な手法が存在していることこそがむしろ正解なんだと思います。

意識的に心を折る方法論がなかなか見つからないのは、日本の文化も少なからず影響しているのかもしれません。
日本では就職した後、仕事ができなくても簡単に首を切られることはありません。
コロナのように、予期せぬことが起きて経済状況が悪化して会社の経営がピンチになった場合は別ですが、そうでなければ、仕事ができないという理由で仕事を辞めさせられることはほとんどありません。
欧米などは実力主義なので、仕事ができない人がリストラされるのは普通のことだと何かの記事か本で読んだ記憶があります。
良く言えば弱い人にも優しいという日本の文化があることによって、何かを諦めさせることの方法論が確立しにくい国なのかもしれません。

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