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自分の中のヘイトを煽られるな/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.12.31-24.1.6)

2024年になって早々、いろいろなトピックが起きた1週間でしたが、個人的に気になっているのは、とある事象への報道のあり方。

これ、6時38分に出た後者を否定する23時29分の記事が前者なんですけど、いまだ何がどうだったんだか分からないなか、後者を見た瞬間に噴き上がったひとたちの負の感情、怖くないですか。
その誘発または暴発のトリガーを引くことがメディアには出来る、そこへの無自覚がオソロシイのはもちろんのこと、「こういう構図」が起こり得ると、我々は既に学んでいてしかるべきではないのか。

虐殺は「平時」にも起きる。だからこそ、暴力の土台と化してしまうレイシズムに、日ごろから警鐘を鳴らし続ける必要があるはずだ

メディアを非難する、ヘイトに踊らされるひとを慰撫する。
それはそれとして、我々が最低限できることって、自分の中にもある負の感情を認め、それをコントロールしようと頑張る。じゃないですかね。

サムネイルは『ブラックパンサー』(2018)ですけど、この後のスピーチにこんな一節がありましてね。

In times of crisis the wise build bridges, while the foolish build barriers.
(ピンチのとき、賢者は橋を渡す。愚者は壁を建てる)

キング・ティチャラ

■ここまで表面的には「外国人」関係ねえ話でしたけど。

これも続報というか詳報ないと何も言えないですよね。

この話もそう。
ちなみに

自動翻訳で読むと分かりますが、「日本の地震の震源地でベトナム人が多くの支援を受けた」という報道が現地メディアによって出ているようです。

■しかるに、ゼノフォビアを煽るキャンペーンを本格的に始めた媒体もあって。

むろん外国人だけが、外国人だから、事故を起こすわけではない。ただ、こんなデータもある。公益財団法人交通事故総合分析センターの西田泰・元特別研究員(72)らが、運転者が最も過失の重い「第1当事者」となる事故リスクを示した「相対事故率」を調査した結果だ

これの元になっている「調査した結果」は2019年10月の「交通事故分析レポートNo.132 訪日外国人によるレンタカー事故 ~特に右直事故・出会い頭事故に注意!~」というテキストなんですが

さらにそれは122ページある自主研究が元になっていまして

近年、外国人観光客の受け入れ拡大政策により外国人旅行者は急増し、それに伴い外国人旅行者による交通事故も増加し、訪日外国人によるレンタカー事故等が話題となっている。
また、青壮年に比べて余暇時間が多く、今後人口増加が見込まれることから、高齢者の余暇活動中の交通事故も増加すると考えられる。
そこで、交通事故統計データ等を使い、余暇活動(観光娯楽等)をキーワードに、観光目的の訪日外国人によるレンタカー運転中を含めた外国人の交通事故、日本人による観光娯楽等でのレンタカー及びマイカー運転中の事故、及び高齢者の余暇活動中の交通事故について分析するとともに、その交通事故対策について検討した。

つまり「観光でレンタカーに乗る外国人ドライバー」の話なんですよ、そもそも。おばあさんは外国人のダンプにひかれ死んだ、とする記事がしたいことは「だから外国人は」って分断ですよね?

外国人及び余暇活動中の交通事故に関する研究 p20

「日本人と永住外国人では、状態別死者数及び死傷者の分布はほぼ同じであり、交通事故実態からみると、日本人と永住外国人の道路利用特性はほぼ同じであり、国籍による差は見られない」という一節がありますね。
つまり、同じ元ネタから、反対の記事だって書ける。
どうせそんなレベルだろ、とは当該媒体が築き上げてきた実績が教えるところでもあるわけですけれど、冒頭でも挙げた事象の例を踏まえると、こういう「愚者が壁を建てる」系の物言いには対抗しなければ。と思ったのです。はー新年早々忙しかった。

■今週のその他ニュース

日経の記事中にコンビニが従業員の在留資格を技術・人文・国際として認めてもらうようロビイングを展開して、およそ認められそう。みたいなことが書かれていて、本当っすか。と眉を動かしていたんですが、

ゼノフォビアキャンペーン中の記事にも同趣旨の記述があったので、ははあ。ってなりました。

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