見出し画像

更に小さい子が復帰。(40mm屈折望遠鏡)

市販の初心者用望遠鏡よりも小さな天体望遠鏡を所有しています。既に販売されていない望遠鏡です。ポータブル赤道儀に付帯されていた、いわゆる「ガイド鏡」です。世界に名を轟かせている高橋製作所(現:タカハシ)の「H40型赤道儀」の鏡筒です。

タカハシの中の人にお会いした機会にお話しを聞いたところ、「あぁ、アレは天体望遠鏡だよ。みんなガイド鏡って思ってるけどな、確かに接眼部分はガイド鏡としか使えない造りになってっけど対物レンズは天体望遠鏡の設計だぁー。試しに100倍くらいで見てみ?星像はびくともしないから。」

製造から約50年経過したH40型の鏡筒を単体で経緯台に載せて、景色や星を見てみました。

日中の景色では57倍ほどでの倍率で像質はびくともせず、102倍でやっと景色のエッジに青い色収差が見えてきました。もっと言うと、ひとみ径の小ささからくる自分の眼の表面を流れる涙がわかりました。

「マジか…。たった40mmだよ?これ。」

夜、いよいよ星に向けてみます。

まずは北極星。さすがに伴星(ポラリスB)は見えないけど、北極星の周りにはジフラクションリングを纒って見えています。102倍でも同じ。たった口径40mmの像とは思えない、いや40mmと忘れて見てました。

「それなら…」と、北斗七星の方向、ミザール・アルコルに向けてみます。

「うわっ!キレイ!」

ミザールは
綺麗な二重星。その二つの星の周りにもジフラクションリングを纒ってて、視野の星(アルコルも)のエアリーディスクがぷくっと丸くて可愛いのです。

タカハシの中の人が言ってた事はホントだわ。ガイド鏡じゃなくて天体望遠鏡として造られてる。

世の中、小さな天体望遠鏡は良く見えないって言われがちだけど、それらの機材の持つポテンシャルを解放出来ているかは別問題。この子(H40望遠鏡)で離角の大きい明るめの二重星を見るとキレイだよーって経験出来たのは嬉しい出来事でございました。

実は、この「H-40型赤道儀」一式セットは昔の仲間からら託された、いわば遺品でございます。託されて25年以上になりますが、私の所に集まってきてる小口径望遠鏡が良く見える事に気づいて、ふと「H-40望遠鏡はどうなん?」と見たくなって復活してもらったと言うお話しでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?