香りがうまれるところ. 5 開聞山麓香料園さんNo.3
すでにこのnoteでは何度も登場していただいている、鹿児島県指宿市(今更ですが、イブスキと読みます)にある開聞山麓香料園さんの芳樟蒸留の作業お手伝いに3日間行ってきました。
香料園さんの詳しいことはこちらから。
香料園さんの蒸留というのは、エッセンシャルオイルを抽出するということです。エッセンシャルオイルというのは精油です。日々の生活に精油を取り入れているご家庭は少ないと思いますが、この芳樟の香りって
日本人にとても合う!
と断言します。させてください。個人差あれど。
しかも大規模な水蒸気蒸留は日本でも数カ所。
そんな貴重なところで作業を手伝えるのは光栄です。何度か見させていただいるので流れは知っているけど、蒸留とは毎度同じ返答が植物からが出てくるわけではなく、自然相手の天然香料なので季節によって取れるオイルの量や数値化できない微妙な香りの違いが必ずあります。
精油とは植物が人間に魅せてくれるもう一つの顔、とも言えます。そのもう一つの顔と人間の初対面の現場が蒸留。毎回ドキドキです。
今回は芳樟の葉っぱむしり作業から蒸留までの様子を簡単に動画にまとめようと撮影していましたが蒸留器のトラブル発生がし、その様子もばっちり捕らえてしまいました。
2分半ほどです、ぜひご覧ください!
その前にトラブルの説明を。
まずは蒸留って?の記事を読んでいただくと機械の仕組みがわかると思います。
(今回、蒸留釜の隣にある水蒸気冷却器が修理から戻ってきて初蒸留だったため、副園長の宮崎さんは顔には出さないもの、いつものようにポーカーフェイスだったけど内心ドッキドキばっくばくだったかと察します)
葉を投入し、蓋をして、水を流し込み、いよいよ加熱!
しばらくすると、釜と蓋の隙間から蒸気が漏れ始めました。工場が一気に芳樟のいい香りで満たされています。あかんやつです。その蒸気には抽出するはずのオイルが入っています。
なんとか漏れを止めようと、縄でふさいだりいろいろ奮闘。結局、隣にある二つの釜に葉を移して再度蒸留を試みたのですがオイルは残っておらずこの日は残念な結果となりました。
原因は冷却器の管が細すぎで、蒸気が蓋の方に行ってしまうのが原因でした。蒸気が冷却器へ逃げなかったんです。
(この日一緒に作業した仮面夫婦プロジェクトのサザナミさんから後日教えていただきました)
水蒸気蒸留器の機械を作る会社は鹿児島にはないため、修理は業者の方も初めての経験だったそうです。双方、大変です。
またしても、こんな場面でそう簡単に答えをくれない蒸留の難しさを実感。
今年で香料園さんは開園80年。何かいろいろ考えていらっしゃるようですが、私もおおお!!と何かやりましょ!やりましょ!と口だけが騒ぎます。あんなこんなクラファンを・・・などと勝手なアイディアを宮崎さんに伝えますが、現実的なところでなかなか難しい問題も。
宮崎さんは本をとにかくたくさん読まれています。並みの読書家ではないかと。哲学的な本も読まれています。(私はその手は前書きで眠くなるので尊敬です)
その影響もあるのか、ハーブの本がたくさんあるそうなので、現在休業中のカフェスペースをハーブ関係の図書館にできたらと”妄想”されてるとも話されていました。とってもいい案!
クラファンでもなんでも手段はなんでもいいのですが、私はとにかく、この香料園をたくさんの人に知ってもらいたい。まずは地元の人に、鹿児島の人に。もちろん全国の人にも。鹿児島の特産品って言ったら、あれでしょ?エッセンシャルオイルでしょ?指宿市だよね?って。
この土地がどれだけ貴重なところか。
私がどうこういうより、説得力ある例。
まず、ここにはいろんな蜘蛛がいるので蜘蛛の研究家の方が通いつめ毎回大興奮されていた!そうです。ざっくり言うと、蜘蛛の種類が多いということは生態系が豊かということです。ハンター能力が高い蜘蛛の種類の多さは他の虫の多さ。ということは・・・。という話になります。これは、長くなる話なのでざっくりすぎてすみません。
もう一つ、手塚治虫先生が数年ほど夏になるとスケッチに来られてたそうです。近くにある、池田湖のイッシースケッチイベントで先生が来られて香料園に感動されたことがきっかけで。
どんなところに感動されたんだろう、そして、スケッチをされてどの作品に活かされているんだろう。知りたいです。
初代園長の人生ドラマ、現在の園長さんのペルー時代から香料園の話もなかなかスパイシーです。ぜひ朝ドラになって欲しいんです、ずっと熱望していますが、どこにアプローチしていいかわかりません。
やっぱりNHKさんかしら?
まずはここに来てみませんか?(世の中がいろいろ落ち着いたらでも)
一緒に開聞山麓香料園さんをわっしょい!しましょう。
芳樟が日本を代表するエッセンシャルオイルになってほしいんです!
いただいたサポートはこれからも来双船がよい出会いができるよう、心から感謝しながら使わせていただきます!