すでに私は女子高生。
あの事件
のあと、シャンプーを補充しておこうとしたらなかった。
悲劇である。
しょうがないので渋々ドラッグストアに行った。
前日の夜から「デオコ買ってみようかな?」と思ってはいた。
そう、あの一大ムーヴメントを起こしたあのデオコだ。
「デオコで体を洗うとおっさんでも女子高生の匂いになれる」とネットで話題になった時、1つ3,000円超えでしか売られていないネットでの購入を諦めて何度もドラッグストアを覗いていた。
やっと定価で手に入れられるようになった頃、既に話題は次のことに移っていたけれど、どんな匂いがするんだろう?とワクテカしたのを覚えている。
デオコのボディクレンズはとってもいい匂いだった。
でもそれは体を洗っている時だけで、お風呂から出たら1時間も経たないうちにその匂いは消えた。だからおっさんが女子高生の匂いになるのは無理なんじゃないか、と思った。
そうして残ったデオコは夫が使って、私は元の石鹸に戻っていた。
夫から女子高生の匂いはしなかった。
でも今回はシャンプーだ。もしかしてボディクレンズよりも匂いが長時間残るのでは?という期待があった。試してみたかった。
シャンプーで1,540円て高すぎないセニョール?
女子高生になるには金がかかるんだぜセニョリータ?
デオコの前に突っ立って、ネットの価格を確認した。
みんな大好きAmazonでも同じ値段だった。
どうしよどうしよと数分間悩んだ挙句、思い切ってここで買ってしまおうと決意した。「これでずっと悩んでいた頭皮臭から解放されたら安いもんだ」と自分を納得させて。
そうしてこうして1週間、私はついに女子高生になった。
おわり。
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