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2年『なんどでも』【希望と勇気】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『2年『なんどでも』【希望と勇気】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「希望と勇気、努力と強い意志」は、4つ単語が並んでいますね。

①希望
②勇気
③努力
④(強い)意志

道徳っぽい言葉が並んでいます。

1つの教材で4つ全てを扱うことは不可能です。
教材には必ず、重点があります。
その重点がどれなのかを最初に考えることで、教材研究がスムーズにいきます。

多くの言葉が並ぶ内容項目は、『重点』を考えるようにしましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「希望と勇気、努力と強い意志」
1・2年の目標・・・・自分のやるべき勉強や仕事をしっかりと行うこと。

2年生「なんどでも」(日本文教出版)

あらすじ

九九の七の段をなかなか覚えられない「ぼく」

先生は「九九を覚えておくと、わりざんでも役に立ちます」と言った。
けんとさんは、先に七の段を覚えてシールをもらった。

お姉さんは「わたしもなかなか覚えられなかったから、ノートに書きながら覚えたよ」と言った。
「計算カードの使い方を工夫してみたらどう?」と言ってくれた。

それから一週間、ぼくはノートと計算カードを使って覚えた。
だんだん覚えられてきて、
先生に聞いてもらったら、シールを貼ってくれた。
家で話すと、おかあさんもおねえさんも、
いっしょに喜んでくれた。
頑張ってよかったな。

2 内容項目と教材

この内容項目はそれぞれ前半と後半でペアを作って理解しましょう。
つまり、「希望と勇気」で1セット、「努力と強い意志」で1セットです。

まずは「希望と勇気」について解説します。
人が希望をもつ時というのは、どんな時でしょうか。
☆例えばプロ野球選手になりたい。
☆いつまでも元気に生きたい。
などが、希望の例としてあげられます。

では、勇気をもつ時というのはどんな時でしょうか。
☆勇気を出して好きな人に声をかける。
☆勇気を出して試験に挑戦する。
つまり勇気とは、何かしらの目標に向かう強い気持ちと言えます。

勇気はゴールがあるから発揮できるのです。
そのゴール地点や付近のことを、希望と呼ぶのです。

希望があるから勇気がでる。
希望のない勇気は、ただなりふりかまわず勢いで行動しているだけです。
それは、道徳的価値が高い行動とは言えません。

続いて、「努力と強い意志」です。
これは「希望と勇気」によく似ています。
努力をしている時はたいてい、目標に向かって頑張っていることのことを指すはずです。

時々、このような言葉を聞きます。
「あの人は努力家だ。」
仮にその人が努力家だったとしましょう。

「努力家」は、いつの時点をクリアしたらそう言えるのでしょうか。

1回の頑張り? 1週間続けたら努力家?

「いやいや、1年は最低続けないと,努力したとは言えないでしょ。」
と言う人もいそうです。

努力の内容によるので一概には言えませんが、共通しているのは、
『短い期間だけ頑張っても,それは「努力」をしているとは言えない。』
ということです。

努力とは長い期間頑張ることを指します。
その長い期間、気持ちが折れることなく、頑張り続けることができたのはなぜでしょうか。

自分自身が「目標を絶対に達成するぞ。」と思っていたからでしょう。
つまり、努力とは強い意志によって支えられるものなのです。

このように、「希望と勇気」、「努力と強い意志」はそれぞれ1セットなのです。

教材研究では、
①「希望と勇気」か「努力と強い意志」か、どちらが重点の教材か見極める。
②仮に「希望と勇気」だとしたら、『希望』はどの人のどの心か、『勇気』はどの人のどの心なのかを考える。
(※「努力と強い意志」でも同じ)
③『希望』『勇気』それぞれについて発問を考える。
という流れに沿って行うと、本質を捉えた授業ができます。

では、「なんどでも」は、どちらに該当するでしょうか。

「ぼく」は「努力と強い意志」があると考えられます。

『(九九の)七の段を覚える』という目標に向かって一生懸命、努力を続けています。

その上で次のような観点で、授業を展開できるといいですね。
・その努力は、なぜ続けることができたのか。
・どんな心から生まれてきたのか。
・目標を達成したらどんないいことがあるのか。
・この話以降も努力を続けると思うか。

「ぼく」は、「難しいなあ」と思って終わりではなく、
おねえさんにもらったアドバイスをもとに
何度も練習をしました。

アドバイスをもらうことは上達の近道ですが、
アドバイスを着実に実行する力は
なかなかもてるものではありません。

「ぼく」の中に、明確な目標があったから頑張れたのです。

目標があると、上達に向けてできることを全てやろうとします。
また、家に帰ってからも努力を続けたのは、これも目標があったからです。

教材では自然な流れで、「ぼく」が努力する様子が描かれていますが、なかなかできることではありません。

「ぼく」の目標に向かうひたむきな心に気付けるように、
比較できる授業展開もいいですね。

①教材どおり、一生懸命努力して、七の段を言えるようになった「ぼく」
②覚えられない、と諦める「ぼく」

①と②の「ぼく」で共通する心はなんでしょうか。
また、ちがう心はなんでしょうか。
また、②の「ぼく」は悪い子でしょうか?

こうやって比較対象を無理矢理にでもつくって考えるようにすると、いろいろな面が見えてきますね。
これが、多面的・多角的な考え方なのです。

板書は、心の層型にして、①の「ぼく」と②の「ぼく」の比較がわかるような板書にしましょう!

3 導入

T:教師 C:子ども

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