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3年『百六さい、おめでとう、ひいばあちゃん』【家族愛】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『3年「百六さい、おめでとう、ひいばあちゃん」【家族愛】の授業はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

家族って現代はいろいろな形があります。

核家族、二世帯住宅、
片親世帯、施設などなど。

道徳で家族について扱うことは、
危険だといつも議論が起こります。

しかし、人は1人では生きられません。
集団で協力して生きることで人類は繁栄してきました。
その最小単位が「家族」です。

家族について考えることで、
集団についての理解が深まり、
クラスや学校、地域など
他の集団への帰属意識が高まっていくのです。

今日は教材を通して、
家族について考えていきましょう。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「家族愛、家庭生活の充実」
3・4年の目標・・・・父母、祖父母を敬愛し、家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。

3年生「百六さい、おめでとう、ひいばあちゃん」(日本文教出版)

 あらすじ

 わたしのひいばあちゃんは106才の誕生日を迎えました。

 ひいばあちゃんがお風呂に入るときは、わたしはお手伝いをします。
 足を洗ったり、服を着せたり、くしで髪をといたり。
 ひいばあちゃんはその日1日、にこにこ顔です。

 わたしが赤ちゃんのときはよくだっこをしてくれたそうです。

 ひいばあちゃんが早く起きて、早く寝ます。
 それが長生きの秘訣かな。
 ひいばあちゃんが110才のときはわたしは中学生。
 そのときは、きれいなハンカチを買ってあげようと思います。

 「長生きしてね、ひいばあちゃん。」

2 内容項目と教材

「家族はかけがえのない存在」とよく言います。
当たり前のようにいて、当たり前のようになにかをしてくれたりする。

3年生にとっては、家族は「~してくれる」存在と認識していて当然でしょう。

しかし授業は、目標にある『協力し合って』という部分に着目して組み立てていきたいですね。

家族はこれまで自分に対してどんなことをしてきてくれたのか。
それに加えて、自分は家族に対してどんなことをしてきたのか。

支えてくれるだけでは協力とは言いません。
支えて、支え合っているから、協力と呼びます。

では、3年生の子どもが家族になにができるのか。
家族は、子どもがなにをしたら喜ぶのか。
それを教材を通して考えていきます。

結論から言うと、行動することに目がいきますが、実はそれはあまり重要ではありません。
そこに存在することが大切なのです。祖父母や曾祖母にとって、孫、ひ孫は宝物のようなものです。
一緒に暮らしているだけで、充分な喜びが得られているのです。
それに加えて、教材の「わたし」は、次のようなことをひいばあちゃんにしています。

 足を洗う。
 服を着せる。
 髪をくしでとく。
 ご飯を知らせに行く。

これらの行動は、もちろんひいばあちゃんにとっては嬉しいことでしょう。
しかし、本質的なことではないのです。「なにかをしてあげよう」では、行動することによってしか家族のつながりを感じられないということになります。つまり、家族のためになにもできなかった日は、家族のつながりがない、ということになります。
でも家族ってそんな薄いつながりじゃありませんよね。

深い絆でつながっていて、言葉はなくても互いに分かることもある。
そんなコミュニティなのです。

では、その理解の上で授業をどのように進めればよいか。
それは、「わたし」の立場から家族を具体的に見ていくことです。

家族がどんなことを「わたし」を含めた家族のためにしているのか、想像したり考えたりすることで、家族に対する敬愛の心が芽生えてきます。

そのためには、教材だけの情報では不十分です。自分の経験も踏まえて意見を語ることが大切になってきます。
ここに、「教材から外れてはいけない」というこれまで言われてきた道徳ジンクスの罠があります。

家族に対する敬愛の心を芽生えさせるためには、具体的に家族の行動を考える必要がある。
でも、教材だけでは情報が不十分。だから、生活経験を想起して考える。

「教材から外れてはいけない」という教えを正直に守っていたら、とても狭い範囲でしか授業ができません。
生活→教材→生活、という授業の流れももはや古いです。

生活と教材をマーブル状に混ぜて、必要なときに必要な方を選択して授業を進めていくスタイルが、これからの道徳です。

話がそれました。
つまりここでは、家族1人1人の存在をしっかりと認識していきましょう。

わたし、ひいばあちゃん、ばあちゃん、じいちゃん、お姉ちゃん、お父さん、お母さんの関係図を書いて、それぞれがそれぞれに矢印を書いて、その意味を考えていくような板書だと面白そうですね。

大きな声では言えませんが、教材の主役である「ひいばあちゃん」にスポットを当てすぎる必要はありません。
子どもにとってひいばあちゃんがいる家庭は少ないですし、共感を生みにくいです。
それよりも、「ひいばあちゃんも含めた家族のつながり」を考えることで、自分の家族のつながりとリンクさせて考えることが大切です。

家族に大切にされていたから、長生きできたひいばあちゃんも押さえておくことは大切ですが、そこに時間をかけすぎないようにしましょう。

3 導入

T:教師 C:子ども

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