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3年『光の星』【感動、畏敬の念】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『3年「光の星」【感動、畏敬の念】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今日の話題はDの視点、感動です。
苦手な人が一番多い内容項目です。

道徳の最難関と言っても過言ではないでしょう。

しかし、ポイントを押さえれば怖くありません!
この記事で感動について考えていきましょう。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「感動、畏敬の念」
3・4年の目標・・・・美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。

3年生「光の星」(日本文教出版)

あらすじ
赤の星、青の星、弱い光の星の3つの星が天の川に水を汲みにきました。
その途中、泥だらけのかささぎを見つけました。
赤の星、青の星は「かわいそうだけど、しかたがない。」と言いました。
弱い光の星は、自分の水で泥を洗ってあげました。
かささぎは、目からまぶしい光を出して飛んで行きました。

ふと気がつくと、弱い光の星は、自分が金色の見事な星に光っていることに気付きました。

2 内容項目と教材

①Dの内容項目とは

Dの内容項目は、「価値の広がりを目指す」ものではありません。
A~Cの内容項目は広がりを目指すものです。
例えば、親切は「何かをしてあげること」だと思っていた子どもたちが、
授業で議論をすることで「何もしない親切もある」と気付いたら、それは見方が広がったと言えるでしょう。

しかし、Dの内容項目はそのような広がりはほとんど期待できません。
そもそも抽象的なものが多く、議論で広がったとしてもさらに抽象的なものになってしまうからです。
そうなると,余計に「道徳は難しい!」と考える子どもや先生を増やすだけです。
そうではなく、Dだけはゴールまでの道を太くするイメージで授業をしましょう。

②言葉にすると安っぽい

Dの内容項目は、言葉にすると安っぽいものです。
例えば以下のとおり。
「命は大切」
「美しいものに感動する」
「自然は大切」

これを見て、どう思いますか?
知っていることばかりではありませんか?

そうです。
これがDの内容項目の難しいところです。
授業をしても、上の結論は変わりません。
しかし、授業で子ども達が議論をすることで、その理解が深くなるのです。
先ほどお伝えした「ゴールまでの道を太くする」ですね。

では、なぜDは言葉にすると安っぽいのでしょうか。
それは、Dの内容項目は「言葉にできないもの」だからなのです。

『感動』とはなにか言ってください。
と聞かれたら,あなたはなんと答えますか?

・心を動かす体験。
・涙が自然と出てくる感情。
・これまでに味わったことのない、心の奥からくる波のような感情。

なんかどれも「的確な表現だ!」とは言えません。
それが、Dの内容項目や「感動」の難しさなのです。
つまり、Dの内容項目は、無理に言葉にしてまとめる必要はありません。

③「感動」の授業は、感動させるのではない

「感動」を扱う時の鉄則は、
感動させるのではなく、感動を生む心について考えよ
です。

感動させることは道徳の時間ですることではありません。
道徳は、行為を生む心を考える教科です。

なぜ心が動くのか。なぜ、美しいと思うのか。
その本質的な部分を考えていく活動が道徳です。

しかし、その活動の出口は、言葉にしなくてもいいのです。
余韻をもって終わる授業にチャレンジしてみましょう!

④赤と青の星は悪いわけではない

では教材を見てみます。
3つ目の「弱い光の星」が金色に輝くわけですが、
物語の構造上、赤と青の星はなんとなく「悪い星」に見えてしまいます。

自分のことをほめているし、困っているかささぎを助けずに行ってしまう。
悪い面を切り取っているようにも見えますが、
果たして本当に赤と青の星は悪いのでしょうか。

3つ目の星が輝いているなら、
赤と青の星も、過去になにかしらの行いをしたから、
輝いているのではないでしょうか。

天の川へ水を汲みに行くことを提案したのかもしれません。
弱い光の星を仲間に入れようと提案したのかもしれません。
そもそも、弱い光の星をいじめたりしていません。

このことから、
「赤と青の星は、悪い星なのだろうか。」という発問が考えられます。

子どもと一緒に考えてみたいですね。

⑤金に輝くものはなにか

弱い光の星が金に輝きました。
では、なにが金に輝いているのでしょうか。

心?
心ならどんな心?
今までなぜ光っていなかったの?
過去に悪い行いをしたのではないか。
今回、初めて金色に光ったのだろうか。

問い返しを多くして、子どもなりの考えを引き出したいですね。

3 導入

T:教師 C:子ども

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