見出し画像

2023_0618_本読み

<1457字>

冒頭の写真:
芭蕉の花。
前に読んでいただいた中に、玉巻く芭蕉という表現があったので、芭蕉のある近所の公園を通った時、観察してみました。

確かに出始めの葉が巻いている。「玉」は球状というより、美しい、なニュアンスかな。


6月18日(土)は以下を読みました。

『巨匠とマルガリータ』 
ブルガーコフ 著

集英社 世界の文学15 ロシア Ⅲ

全集の一冊なのもあり、最初に登場人物紹介があって、そこを見ると舞台はモスクワとエルサレム。エルサレムでの登場人物はピラトとかユダとか、キリストが処刑される時の面々のようです。

初日の今日は、文芸誌編集長ベルリオーズと詩人ベズドームヌイとが、暑いモスクワの春にカフェで会話をはじめたところ。ソ連時代かな?

二段組の小さな字で360ページ。計算すると一年以上かかりそう。
前に読んだ長いものは、『甦るフレーブニコフ』と『北園克衛の詩と詩学』。その時は週5回読んでいたから三ヶ月くらいで読了していたけれど、それと同じくらいの長さ。週2回のペースで、どんな気分で読んでいけるのかが楽しみ。

(音読した人:山崎)





『沖縄ノート』 大江健三郎 著 

岩波新書
Ⅲ 多様性に向かって

沖縄の本土復帰運動についての、栃木県の人の新聞投書の引用がありました。これに対しての、聞き手のみんなの反応が違ったことが印象的でした。

これこそ、著者の望んでいる「多様性の確保」とも思いました。

この人の投書のどこに反応するか、というところが違っていました。

山崎は、どのようにしてそこまでの日本への思い(それは天皇への思いということなのでしょうか?)が沖縄に育ったのだろうか、と思いました。

(音読した人:こいでさん)





『うさぎのいえ』 内田 莉莎子 再話 / 丸木 俊 画

福音館書店

ロシア民話の再話ということでした。墨の色の重みを感じる絵が美しかったです。うさぎ、きつねが登場し『うさぎの耳はなぜ長い』とか『狐物語』を思ったんですが、意外に何も起きないお話でした。
いろんなバリエーションで語られそうな気もしました。

(音読した人:はやしさん)





『俳句的生活』  長谷川櫂 著

中公新書
第11章 平気

「かるみ」とは滑稽の精神が深まったもの、とのこと。

そして七部集の一つである『炭俵』でそれが目覚ましい展開がなされているらしいです。芭蕉の最晩年の弟子の野坡、孤屋、利牛がその編者。
〈 芭蕉は「かるみ」を試みる連衆として、今でいえば東京三菱銀行の部長や課長を選んだことになる。 〉
という表現が面白かったです。

そのあと、芭蕉と凡兆の句と、野坡の句が対比されていて、確かに。
壮大な宇宙を句に入れようという稀有壮大なけはい

畳に寝っ転がって漫画読む、
みたいな違いが感じられました。

漂泊するのではない、安定な職の人の余裕が「かるみ」を作るのかな、とも思いました。

俳諧はとどまることなく形を変えつつ、575という形を保って続いていくのが面白いです。

(音読した人:きよもとさん)





『芭蕉七部集』  中村俊定 校注

岩波文庫
『猿蓑』

〈 草津
晦日つごもり過行すぎゆくうばが(ゐ)のこかな  尙白 〉

草津名産の姥ヶ餅と、晦日に食べる亥の子餅を、餅つながりで詠み入れてるということが注からわかるのですが、助詞の「も」と「が」をどう理解するのかが山崎にはまだわからないのです。
元禄3年10月晦日は亥の日にあたる、とも注にあるので、日時と場所を詠み込んでるのはわかるんですが。

(音読した人:山崎)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?