見出し画像

2022_1102_本読み

<1580字>

冒頭の写真:
カイヅカイブキの中に幼虫がいるのが、ジョギング中の目にとびこんできた。
初めて見るやつ。
あとで写真をじっくり見ると、
こういうふうに柄を馴染ませたか、と感心しました。
すぐ横の葉と白いジグザグがよく似ています。

わりに大きい(4センチくらい?)虫だし、検索すればすぐ名前がわかるだろう、と思ったのですが、出てくるのはスギドクガの毛虫ばかり。(これはこれで、ドクガ科なのにグリーンベースの色のがいるって知らなかった。)

謎です。



11月2日(水)は以下を読みました。

『あまりにロシア的な。』 
亀山郁夫 著

青土社

最近、2年前『甦るフレーブニコフ』を読んだ時の書き出しを note にアップしなおして振り返ってます。それで同じ作者の本を読みたくなりました。

冒頭、1994年のロシアに飛ぶ時の、心の揺れ。

音読していると、声で共鳴するというのか、音の流れで口や喉が動く感じをじわじわと感じます。

しばらくこういう本を読んでいなかったので、ますます亀山さんの文の音・リズム・流れ、が嬉しいものに感じます。

タイトルが「。」で終わっているのが気になる、と、きよもとさん。
確かにそうです。止めた感じが印象的です。

表紙のマレーヴィチの『赤い家』という絵の、まさにその家の四角い赤のとこに、太い黒い「ロシア」という文字が嵌まっているのが、ブックデザインぽくなくてアヴァンギャルド(山崎は、青土社の単行本で読んでいます)。

(音読した人:山崎)





『畏るべき昭和天皇』    松本健一 著

新潮文庫
占領下の天皇制

アメリカの占領下での天皇の対応を、日本の天皇制がもともと柔軟に時代に対応してきた、ということに焦点をあてて、書いていました。

確かに、そうですね。

だからこそ、戦前に戦争を止められなかった、とも言えると思いました。

(音読した人:こいでさん)





『アルメット』   トミ・ウンゲラー 作、谷川俊太郎 訳

好学社

マッチ売りの少女の現代版?
という始まりから、そうではない現代的展開。
だから冒頭の献辞ふうのフレーズで、アンデルセンだけでなく、グリムも、ビアスもあったんだな、と思いました。

現代のマッチ売りの少女の将来は(福祉?)活動家、でした。
(ウンゲラーはフランス人、ストラスブール生まれで、1956年にアメリカに移住して、2019年に亡くなっています)

(音読した人:はやしさん)





『塩一トンの読書』    須賀敦子 著

河出文庫 
『プラートの商人』 イリス・オリーゴ 著

中世イタリアのひとりの商人の14万通(!)におよぶ書簡と帳簿をもとに、その人を主人公として書かれたストーリー。
検索すると、この14万通はダティーニ文書と呼ばれるものです。

読みさしになってしまっている『中世イタリア複式簿記生成史』(橋本寿哉 著、白桃書房)の参考資料にも、ダティーニ文書入っていました。

詳細な記録があると、研究にも小説を作るにも、非常に有効でしょうね。記録する人も読み解く人もどちらもすごくマニアックで、だからこそ(苦しくも?)楽しそうです。

(音読した人:きよもとさん)





『芭蕉連句集』   中村俊定・萩原恭男 校注

岩波文庫
四二 種芋や(をのが光)

今日からこの歌仙なので、ざっと一回読みました。

〈 あすのもよひの繊蘿蔔せんろっぽきる 〉

というのがあり、繊蘿蔔はみたことも聞いたこともない表現で、ついついそこの注を読むと

〈 「せんろふ」の音転。蘿蔔(だいこん)を細かく千切りにするの意。 〉

とありました。


あとで検索してみると、こんなのがありました。それによれば

〈 千六本は「繊六本」と書く場合もあります。中国語の繊(シエン)は細い、蘿蔔(ルゥオポ)は大根から転じた言葉と言われています。 〉

どうやら料理用語らしいです。面白い。

(音読した人:山崎)



















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?