2021_1223_本読み

12月23日(木)は下記を読みました。

山崎
『声で楽しむ日本の詩 和歌・俳句篇』大岡信/谷川俊太郎  編、岩波書店

今日の俳人:秋桜子 青邨 素十 誓子

今日も短いことばでの「描写」ということを感じました。

ことばでは「籬」(まがき)を知らなかったです。画像を検索すると、なんとなくはわかり、〈桃の籬〉が具体的になりきらないながらも味わいました。



こいでさん
『異郷の陽だまり』野見山暁治 著、河出書房新社
「佐伯祐三の小箱」(1998年)

椎名其二(1887~1962)がまた登場でした。話題は佐伯祐三(1898~1928)が持っていて、物入れにしていた箱を、著者(1920~)が椎名さんからもらったというもの。それは著者から坂崎乙郎へ渡ったかのように読めるお話でした。

戦前にヨーロッパ仕込みの教授陣に絵を習い、

〈ただやみくもに見たこともない西洋をなぞらえて筆を走らせ〉

〈四年続いた戦争は、そこに至るまでを考え合わせるとあまりにも長い〉

そしてついにパリに留学するのですが、そのパリは、戦前にあったのとはとても違っている。

というような一つ一つの書き方が、山崎(1962~)からは想像できない、ギャップというのか重さというのか、を感じました。



きよもとさん
『家守綺譚 』梨木 香歩  著 、新潮社
ドクダミ

癇性、ということばを良く知りませんでした。すぐ激すること、と思っていましたが、異常に潔癖という意味もあるのですね。

また、天の羽衣の話がこう捩られるのか、と思いました。

「抜け殻」には、蝉といい蛇といい、すこしこころひかれるところがあります。

ドクダミは花の白さが印象的でした。草一般よりも葉の色が赤みがあって暗いのと、土に近い低いところに群れで咲いているからでしょう。

最初の方にあった〈冴え冴えとした湿気〉っていうのと呼応して感じました。



めいさん
『節英のすすめ』
木村護郎クリストフ 著、萬書房、
第2部 節英はどのようにできるのか
10 多言語とどうつきあうか 第四条 他者の力を借りつつ
(2622〜2633/3674)

今日のところ、下の引用。

〈言語学習に王道はないといいますが、修正を自覚的に積極的に活用することが、王道なのではないでしょうか。〉

大事ですね。



はやしさん
『パンダ銭湯』
ツペラツペラ 作、絵本館

先日、テレビでどなたか作家の方が紹介してくださっていて、山崎もちょうど図書館で借りているところの絵本でした。面白かった。

手元にあるので、読後、何度目かで眺めていると、銭湯の絵が富士山じゃなくて、深山幽谷な墨絵だったり、細部も面白かったです。
(そうなんだよな、パンダって墨絵と同じ、白と黒。。。)

本読み後、家のテレビがついていて、生まれたパンダの赤ちゃんが映っていました。おどろくほど可愛かったです。こりゃあ、みんなのこころをわしづかみ、ですね。



山崎
『芭蕉連句集』岩波文庫、60ページ辺
十六 鼓子花の(尙白筆懐紙)

〈碪をやめて琴の糸かる〉

が、わからなかったです。碪、は、きぬた、で布を柔らかくするのに叩くものだ(検索すると、打つ方の道具ではなく台の方が、きぬた。これ、山崎、間違えてました)と思うのですが、最後の「かる」は借りるなのかな?

注にあった、柿の花を藁に通して子供が遊ぶのは、やったことはないけれど、なるほど、って思いました。

柿の薹(とう)は柿の花のことで、蕗の薹と同じふうに花を意味しているのが不思議な感じでした。薹、というとつい、とうがたつ、を思い、ほうれん草なんかでもそうなってしまうとおいしくない、というのを連想します。が「薹」自体はきっと、つぼんでる〜ちょっと開いたくらいの感じ。そう思うと、柿の花の開く雰囲気、少し似てます。柿と蕗で語呂も似てます。

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