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2022_0409_本読み

<1920字>

冒頭の写真:

前回、スミレの色は、種レベルでの違いかなと書いたら、

さっそく白いスミレを発見。

エイザンスミレやヒゴスミレのことを思って書いたのですが、
写真のは、葉の形が普通のスミレなので、
きっと同じ種の白花だと思います。

はじめて見ました。

書いたり言ったりして意識すると、
無意識が勝手に見つけだすようで、こういうことがよくおきます。

この「本読み書き出し」に写真を使うようにしてから、3つめの白い花。
最初はこれ→シロバナタンポポ



4月9日(土)は以下を読みました。

振仮名ふりがな歴史れきし

今野真二 著
集英社、2006年刊
第四章 明治期の振仮名
第三節 翻訳小説の振仮名
第四節 夏目漱石の振仮名

確かに、漱石の振仮名には興味あります。

五月蠅うるさいと書いたのは夏目漱石だ、という記憶があります。

『言海』(明治24(1891)年に刊行完了の国語辞典)を参照した著者の見解は、漱石の創作というよりは「明治という時代がつけた振仮名」である、というものでした。

振仮名のことよりも山崎が驚いたのは、
「漱石が専属の小説家として(東大の講師から)東京朝日新聞へ転職した」
という事実。

新聞社に専属の小説家、そんなのあったんだ! と。

誰かが、明治時代の新聞社なんて当時のベンチャーだったんだ、と言っていたのを思い出しました。

だから
「そんなのあったんだ」じゃなくて
「無いからそんなポストを作ってみた」ということなんでしょう、
むしろ。

ちょっと前のYouTuberとかそんな感じかもしれません。
転職してスターになって一攫千金。
(今ならなんなのか、という例えを思いつかないのが、60目前の中高年の哀しさ。。。)

(音読した人:山崎)





『目の見えない人は世界をどうみているのか』

伊藤 亜紗 著、光文社
まえがき

読み手のこいでさんご自身が、演劇や舞踏など身体のパフォーマンスに関わってきたと伺ってます。耳の聞こえない人のことばとか声、ということにずっと興味を持ってきた、と、話されてました。

この本では 視覚が失われている という状態に焦点をあてています。
普通の人が一番たよりにしているこの感覚が無いとき、どこがどう働くのか、は確かにとても興味深いです。

著者による、視覚障害者あるいはその関係者6人へのインタビューによって
〈 あまり前例のない身体論 〉になった、とこのこと。

山崎は、けっして体験することはできない他人の感覚をなんらかの形で味わいたいという気持ちがあります。それは、他人の目で自分を見てみたい、という気持ちとかなり直結してます。

本を読みたいのにも、同じ気持ちが ずいぶん あります。

(音読した人:こいでさん)





『本の中の世界』

湯川秀樹 著
岩波新書
「荘子」

湯川さんは、祖父による素読で育って、中学生ころには自ら中国の古典に興味をいだくようになったそうです。

科学はギリシャが源流で、近代ヨーロッパで発達した、とはその通り、と認めつつも、中国に何かがなかったとはいえない、というもどかしさのような気持ちも書かれていました。

量子力学のボーアやパウリが『易経』の中に、量子力学の展開のヒントを感じていたのを、去年いろいろ読んでいて知った山崎です。そんなことを思い出しました。

この本での「荘子」のお話は、素粒子のことを考えていた時に急に思い出したという、有名な「渾沌」のお話。

(音読した人:きよもとさん)




余談:
きのうちょっと書いたのですが、山崎の著書『もっと自由に!手で作る本と箱』の15ページの「『本の中の世界』と製本」という文を読ませてもらいました。

そして、作例として作った本も見せました。

きよもとさんも、持っている作品(山崎と きよもとさん の共通の友人のブックアート作品)を見せてくださいました。面白かった〜〜








『芭蕉連句集』

岩波文庫、松尾芭蕉
三一 御尋に(曾良俳諧書留)105〜107ページ

〈 すゝけたる父が弓矢をとりつたへ  翁 〉

ここの注に、〈 駒むかえの人の位をうつした付。郷士などか。〉
とあります。〈 駒むかへ 〉は前句にでたことばで、
元々は8月15日、逢坂の関に駒牽こまひきの馬を迎えにいくこと、
だそうです。
そして駒牽とは………
と芋づるに、背景がつらなっていきます。

歌仙の席に集っている人たちは、これらの事物のつながりが瞬時に見えて、

ああ なるほど巧いな、さすが! とか
受ける〜おもろいわ! だとか

互いの芸に感心しながら
詠んでいってるのだろうな、と想像すると楽しいです。

が、我々にはまだ全然 !! なことに、笑ってしまいつつ、
でもどこか楽しいのが嬉しいです。

(音読した人:山崎)

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