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公立病院改革1〈2005年〉北陸350床 KN病院(10)

まったく、超未経験で新入社員の僕が、なぜこんなことに、、、

と思いつつ、いくら委員会をやろうが、派手な提言をしようが。
この「業務成果品」を提出しないと、一円もおカネがいただけない。
それが行政発注の業務だから、仕方ない。

成果品は、次のような骨格で作成した。

KN病院経営診断 及び 経営改善計画策定等業務委託
報  告  書
平成18年3月

第1章 はじめに 
~国の政策と自治体病院に係る医療計画の動向~
第2章 N市財政分析 ~組合経営への課題~
第3章 KN病院の財政分析
第4章 人事給与の分析
第5章 医業内容の報告
第6章 経営形態のあり方の考察
第7章 地域連携、診療圏の展望
第8章 職員ヒアリングの結果
第9章 提言
補足資料  ~診療科別原価計算~


上記の作業に、委員会運営、委員間の調整、その議事録起こしなどが加わっている。
その事務部分と、成果品作成は、すべてほぼ一人でやったのだから、大した業務量だ。

加えて、いま振り返っても、初心者がよくこういうものを作れたと思う。
参考になる大手監査法人の分析資料があったので、骨格はあちこち真似したが。
かなり自然に作れたし、成果品作成の作業プロセスはとても楽しかった。
我ながら、実はこういう分析仕事はとても向いている、と自覚した。

大学時代に、数多くの財政論、マクロ経済、金融の論文作りに勤しんでいたから、成果品作成の素養があっただと思う。
当時は、授業に出ないで、単位にもならない論文を粗製乱造していて、その様はまさに変人であった。
しかも「財政学」「マクロ経済学」なんて、官僚にでもならないと一生使わない勉強に、なぜ心血を注いでいたのか、、、
(結局、大学卒業後は、学問と無関係なブラック企業に就職した)

それが、まさか10年以上の時を経て、地方財政、地域経済を分析、文章化して、それでおカネをいただく日が来るとは、、、
ふつうの会計事務所に就職していたら、財政論や経済学の素養を活かす業務機会など、なかったと思う。
学生時代の勉強が役立つ日が来るとは、夢にも思わなかったので、この点は一人でとても感動していた。

本当は、税金の計算をする普通の税理士修業がしたかったので。
その部分と、意外に向いているこの公立病院コンサルに足を踏み入れたことは、その後数年間、ジレンマとして抱え続けることになったが。


ところで、成果品作成にあたって、いくつか問題があった。
1 「地域連携、診療圏の展望」。
これは世にいう商圏分析だが、こんなのやったことないし、技術的にできない。
2 「医業内容の報告」
医療機関の財務内容は見れても、医療の中身など知るわけはないから、、、
3 「診療科別原価計算」
いよいよ、こんなのできないよ、、、

上記1~3を実施する上で、プロの助っ人とともに活動する必要があった。


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