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公立病院改革1〈2005年〉北陸350床 KN病院(7)
KN病院の経営改革委員会は、3回にわたって行われた。
後に様々な自治体病院、民間病院を出入りしてみて分かったのだが。
このKN病院の経営は、決して悪くなかった。
たしかに新築による建設費負担と、自治体そのものの財政悪化の影響で、ラクな内容ではない。
しかし、すぐリストラだの、改革だの、というほどの内容ではない。
ただ病院の構成市町は、建て替える前と比較して、急速に悪化する財務内容に大変な懸念を持ったから、コンサルを入れたのである。
ところで上述「構成市町」と記したように、この病院は複数の市町村によって設立されている。
この自治体運営の形態を、地方自治法上「一部事務組合」と呼ぶ。
このあと20年近く、一部事務組合の存在は、僕の仕事人生で重要な位置を占めていくことになる。
それはまた追って書こうと思う。
この委員会では、僕の事務所のボスは「委員」としては参加していない。
別途、アドバイザーとして登場して、インパクトを残していくことになる。
後にボスと様々な案件をやっていく中で、ボスは「インパクトタイプ」だと痛感した。
普通、公認会計士なら理論的、ロジカルな感じがするが、ボスの仕事や言動は直感的で激しく、ロジックに乏しい。
これは雑、ということでなく、たぶん「天才肌」だからでないかと思う。
結論ありきでインパクトで押すので、結論は出やすいし、改革に向かいやすいケースもあった。
ただ、委員会等の議論にあまり深みは出ないし、委員や傍聴者から苦情が出ることもあり、何度も事態収拾で苦労したものだ。
ともあれ、この委員会はボスが不在であったため、医師、官僚、地元関係者などがとても丁寧に、ロジカルに議論を進めていた。
初心者の私にも、とても勉強になる議論の進め方をされていた。
なお私が作成した資料(作成中の成果品)は、先輩税理士らが読み上げて、それを参考に委員たちは意見を述べていた。
「おお、こんなエライ感じの人たちが、おれの資料を参照して議論してるぞ、、、」
という感じで、一人悦に浸っていた。
でも、この一回目の委員会が終わった後から、最終成果品の納品までの間、波乱と混乱が続いていくことになる。
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