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公立病院改革1-3【公立病院の概要】〈2005年〉北陸350床 KN病院

僕が初めて、仕事で行った病院が、公立病院であるKN病院だ。

公立病院とは何か、を記しておこう。

病院は平たく言うと。
国立。
公立(都道府県、市町村立)。
公的(赤十字社や学校法人、社会福祉法人)。
民間(医療法人、個人、社団、財団ほか、、、)。

などなど、大きく分けるとこんな感じだ。
(細かく分けると20種類以上ある)
この中で、数的には「民間」が圧倒的に多い。
厚生労働省は、民間であろうが何だろうが、医療は「非営利」という。
それは、言いたいことは分かる。

しかし、民間医療機関のガバナンスは、ほとんどが「私企業」だ。
オーナー(一族)がいて納税義務があり、節税に励む。
儲ければ存続できるし、じり貧なら倒産する、私企業と同じだ。

国立は、多少の例外を除き、ほとんどが「国立病院機構」という独立行政法人で構成される。
いわば150軒近くある、チェーン病院グループだ。

日本赤十字社ほか、公「的」病院と言われるところも、それに近い。
学校法人は、医師供給源である「医学部」を持つから、事情が異なる特殊存在である。


我々が取扱う「公立病院」は、上述のように都道府県や市町村の病院だ。
実は、これが一番厄介で複雑な存在である。

医療機関は、病院があり、そこに会議や経営者があり、医療機能がある。
本来的な姿としては、病院が中心で、病院の中にすべてある。

しかし公立病院は、次の関係者によって構成される。
(1)病院(医療機能がある)
(2)都道府県、市町村(医療機能を経営する「経営者」)
(3)議会(経営者のおカネの使い方を、監督する存在)

病院は院長がおり、医者、医療者がおり、医療設備がある。
しかしその運営に必要なおカネは、役所(経営者)が全て決め、握っており、医療現場に決定権はない。
その役所が経営者のはずだが、役所は、議会に深く「おうかがい」を立てないと、必要なおカネを出せない、使えない。

その役所(経営者)は、医療の素人だ。
議会は、医療の素人である上に、議員自身や会派自身の思惑・利害で動く。

そんな三者がみんなで運営する公立病院は、やはり問題が多い。

これを改革、解決しようというのが「公立病院改革」であり。
そこに乗っかって、商売しようと思ったのが、僕のボスであった。


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