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10月4日

 仕事場から徒歩1分の距離にあるお食事処「やおちゅう」。料理はどれも安価で美味しく、店の雰囲気もいいのでよく通っている。ランチについてくる小鉢が季節によって食材が変わるのも、またたのしみのひとつ。今日は夕顔の煮物だった。10月も2週目に入って、そろそろ小鉢も変わる頃合いかもしれない。


 ナポリタンをすすっていると、ふいにマスターから、遠野に来ていちばんよかったことはなにかと聞かれたので、生き物で季節の移ろいを感じるようになったことだと答えた。植物で季節を感じることはこれまでもあったが、道路を横断するケムシに春を、キッチンの窓に貼り付くカエルに夏を、暖をとろうと宅内に侵入するカメムシに秋を知るようになったのは遠野に来てからのこと。四季よりももっと細かい季節があると教えてくれた彼らに、翌年、またおなじ場所で遭うことで、季節の巡りをおもう。いい師をもった。

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