【映画レビュー】CASSHERN(キャシャーン)
2004年公開
・監督 紀里谷和明
・出演
伊勢谷友介
麻生久美子
寺尾聰
樋口可南子
小日向文世
唐沢寿明
宮迫博之
佐田真由美
要潤
大滝秀治
西島秀俊
及川光博
三橋達也
森口瑤子
鶴田真由
玉山鉄二
りょう
・エンディング曲
宇多田ヒカル「誰かの願いが叶うころ」
学校の制服を着たまま、この映画を見に行った気がする。一緒に行った友だちは2人だったか1人だったのか。誰と行ったのかも忘れた。
映画は映像が綺麗で、でも内容はよくわからなかった。わからなかったのに、とにかくつらくて悲しかった。大切な人がみんな死んでしまう。登場人物たちは将軍以外はすべて死んだ。ひとり残った傲慢な将軍すらも最愛の息子を亡くして泣き崩れる。最後にルナと鉄也が光の矢になって宇宙へ…。
呆然としていたら、まるで不意打ちのようにエンディングでこの曲が流れた。本編は派手な映像美のアクション作品なのに、静かで優しくて残酷だった。
「みんなの願いは同時には叶わない」
宇多田ヒカルのあの声で残酷な真実を歌う。
みんなが幸せにはなれない。
誰かの幸せの影で誰かが泣いている。
誰かを傷つけてしまうのは止められない。
みんなが幸せになんか、なれないんだ…。
当時の私は宇多田ヒカルは好きじゃなかった。理由は、周りの大勢が聴いているから。だからあえて聴かなかった。
エンドロールで流れるこの曲に涙が止まらなくて、周りに人がいるのにみっともないと思ってもどうにもならない。ずるいと思った。こんな曲を最後に持ってくるなんてずるいと思った。
その後、宇多田ヒカルは紀里谷監督と離婚してしまい、最近はほとんど見かけない。この映画に出演している俳優たちも亡くなったり引退したり。
今でもたまにこの曲を聴いている。
誰かの願いが叶うころ…。
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