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【R18官能小説】官能作家"霧山純生"の情事 愛欲ハーレム 第2話「オープンマリッジ妻の濃厚セックス」その1

割引あり

第1話へ

「あら、珍しいわね。こんな時間にあなたが家にいるなんて。お疲れさま」

 リビングへ行った私を、テレビニュースを見ていた妻が迎えた。ソファーにゆったり座って優雅に長い足を組んでいる。妻からの私への挨拶は嫌味ったらしく聞こえるかもしれないが、言った本人にそんなつもりはぜんぜん無い。妻のしのぶはそういう女なのだ。

 帰宅してからシャワーを浴びたらしい。栗色に染めた髪がまだ乾き切っていない。

「のんびりテレビを見ている君こそ珍しいじゃないか。今日は早く帰れたようだね。お疲れさま」
「昨日で本会議が終わったから。議員質問も出なかったし。わたしだってたまには定時で帰りたいわよ」

 地方公務員である妻は某区役所の都市整備部の管理職だ。肩書きは課長。以前は男女共同参画部の課長だった。ちなみに職場では旧姓の「明覚みょうがく」を名乗っている。
 公務員は楽だというのが一般的なイメージだろうが、身近で妻を見て、話しを聞いている私としてはそうは思わない。法律によって身分が保証されているとはいえ、勤務時間や労働環境やら、同規模の民間企業よりもブラックに感じる部分が多々ある。言い方は悪いが、身分保証を人質にして組織としての不都合や職員の不満やらを抑え込んでいる、そんな歪なイメージを抱くのだ。

「それで、どうなの?」
「何がだい」
「あなたの新しい恋人よ」
「ああ…」

 妻の隣に腰を下ろし、愛らしい"いじわる"が口ぐせの美女「麗奈」のことを妻に話す。美月を籠絡したいきさつはすでに伝えてあった。

「へえ。面白そうな子ね。今度のあなたの恋人って。それに頭が良いわ」
「君もそう思うかい」
「うん。あなたって、ふたりの若い女の子にシェアされちゃちゃんだ。ふうん。面白いなあ、その発想」

 身を乗り出した妻が、ローテーブルに頬杖をつき、上目づかいに私を見た。その切れ長の目が笑っている。

「そういう君だって、私の妻ではあるが、若い恋人と好き勝手によろしくやってるじゃないか」
「隼人のこと?かわいいわよ」

 私と私よりも二歳下の妻は、夫婦ではあるけれど、夫婦公認でそれぞれに恋人を作るのを容認している。オープンマリッジというらしい。

 私たちに子どもはいない。妻も私も子どもが欲しくなかったわけではないが、一緒に暮らしているのに仕事が忙しくて共に過ごす時間が持てないまま、時期を逸したというのが共通の認識だ。家にいる時間よりも家の外部で過ごす時間の方が長い我々は、自然な流れで婚外の恋人を作った。私も妻もお互いに相手にそういう存在がいるのを薄々気づいていた。だから、今後、夫婦の関係をどうするかを真剣に相談した結果、

「夫婦のあいだの愛が無くなったわけじゃないから、できれば離婚はしたくない。婚姻関係を保ったまま自由に生きよう」

 という結論に至った。自由だとしてもいくつかの条件を設定した。

1 恋人ができたら報告すること
2 恋人とのあいだに子どもは作らないこと
3 恋人は自宅に入れないこと
4 外泊は可。その場合はその旨をきちんと連絡すること
5 月に一度は夫婦でセックスすること

 セックスレスの夫婦がお互いの婚外恋愛を認める代わりに、月イチのセックスを必須にするだなんて矛盾しているとは確かに思う。まあ、男と女には色々ある。

「あなたの…霧山純生の新刊、読んだわよ。あれって美月ちゃんの話よね」
「もう読んでくれたのかい」
「だってファンだもの」

 不動産関係の仕事の傍らに、私は霧山純生のペンネームで官能小説を書いている。この秋に美月をヒロインに据えた作品を脱稿した。無論、美月本人の承諾を得た上でだ。当の美月は「恥ずかしいから」という理由で読んでくれていないようではある。

 美月といえば、妻にあの件を伝えねばならない。

「君に話しがある。来年、正月明けに、彼女たちを連れて温泉へ行こうと思うのだが」
「温泉?」
「ああ。そうだよ」

 行きつけの店の主人から温泉旅館を紹介されたいきさつを話す。妻は時々質問を交えながら興味深そうな表情で聞いていた。

「二泊三日なんて、あなた大丈夫なの」
「何がだい」
「体力よ。二人の若い恋人を相手にするわけでしょう。あなたもわたしも若くないんだから」
「うむ。わかっているさ」
「無理をして薬とか飲まないでね。心臓に悪いわよ」
「ああ、うむ」

 精力増強と銘打たれた栄養ドリンクは飲んだことがあるが、妻が気にかけているようなバイアグラ等の医薬品は飲んだことがなかった。自分を絶倫だとは思わない。しかし薬に頼ってまでセックスするのは、何というか違うと思っていたからだ。それを妻に言ったら、

「あなたらしいわね」

 クスっと笑った。と思ったらスッと距離を詰めてしなだれかかってきた。揺れた髪から甘い香りが漂う。

「あなた…今日は…どう?」
「ん?」
「もう。霧山先生ったらとぼけちゃって。夫婦エッチの日よ。気づいていたでしょ」

 私の肩に寄りかかった妻の声は甘く濡れている。

 妻が、帰宅してからすぐにシャワーを浴び(もしかしたら軽く入浴したのかも)、薄く化粧をしているのはすぐに気がついた。

 妻のしのぶはクールな雰囲気の美しい女だ。知り合った大学生の頃から変わらない。そのプロポーションも。肩も腰も細いせいでGカップの胸が強調され、少し冷たい感じのする美貌とのギャップが男心をそそる。しかし妻いわく「そんなことを言ったのはあなただけよ」とのことだ。どうやら男どもは彼女のクールな雰囲気に気後れしたらしい。口説いた私が彼女を抱いたとき、驚いたことにしのぶは処女だった。

 まあ…男と女は色々ある。

 珍しく久しぶりに甘えてくる妻へ「ベッドへ行こうか」と優しく誘ってみたところ、しなだれたままの彼女が小さく首を振った。

「ここでして。だめ?」
「いや。君がそう言うなら…」


第3話へ続く


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