見出し画像

「すぐにおりこうにしないと、鏡の国の家へ押しこんでしまうよ。いい?」と、アリスはいいました。

『鏡の国のアリス (講談社文庫)』キャロル著

「鏡を見るんだ。鏡の中でよがって乱れているイヤラシイ女を見るんだ」
「いやあっ、見たくない」
「見なさい。ほら…」
 ボタンを外し終えた手を、服の隙間から中へ。揺れている乳房を揉んでやり、娘を喘がせてから、みぞおちから下へ、臍をくすぐり、汗ばんでいる肌を撫でさすり、さらに下へ。鏡にの中の麗奈の目がそれを見ている。

官能作家"霧山純生"の情事 アイス・ドール 第21話



 鏡に映る私は私だけど私じゃない。左右が反転しているから、ありのままの私を見せてくれるわけじゃない。

 ベッドのそばの壁に、横に長い鏡があった。シーツの上に横たわると、頭からつま先までが映る長さ。横に長くても幅は30センチほどしかない。だから横たわっていないと映らない。

 横に長い鏡の中に女が映っている。白いシーツの上に横たわった白い肌。その白い肌に鏡の中のあなたの手が触れる。私はそれを見ていた。落ちてきた髪をかき上げた鏡の中の女が、もの言いたげな目で私を見る。鏡の女の唇が開き、ああ、と小さなため息が甘くとけた。私はそれを、鏡の中の彼女を見ていた。

 鏡に映る私は私じゃない。

 鏡の中の女は、私よりもいやらしい。



女性が鏡に映して自分を見るのは、自分の姿を見るためでなく、自分がどんなふうに他人に見られるかを確かめるためだ。

アンリ・ド・レニエ



気に入っていただけたらサポートお願いします♪いただいたサポートは創作の活動費にさせていただきます