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【こんな映画でした】671.[哀しみのトリスターナ]

2020年 6月23日 (火曜) [哀しみのトリスターナ](1970年 TRISTANA イタリア/フランス/スペイン 99分)

 スペイン語なので、カトリーヌ・ドヌーヴは吹き替えだった。観ていて違和感があったので、すぐにそうだろうと思った。この映画はやはりルイス・ブニュエル監督作品、ということだ。ストーリーとしては分かりよくはあるが。何にせよ人間存在というものは、厄介なものだ。

 トリスターナは、最初は純真無垢な感じで登場するが、その引きとられた中での生活の結果として、どんどん人相が悪くなっていく。それはメーキャップであり、演技であるのだろうが、ある種見事なものだ。

 人間というのは精神的に痛めつけられると、その人間性もがいびつなものになっていく。ラストの方で結婚をするも、それは形だけの、まさしく遺産相続の準備のためのそれのようでもある。

 映画ではほのめかすだけだが、原作の小説では若い男の子と関係を持つようになっているらしい。言うなれば、人間的に堕落・崩壊してしまっているということなのだろう。そう言うことでは、まさしく「哀しみのトリスターナ」ということになるわけだ。
 あと結婚への疑問とか、キリスト教への批判とかも見られる。

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