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【こんな映画でした】259.[罠]

2021年 3月16日 (火曜) [罠](1949年 THE SET-UP アメリカ 72分)

 「サスペンス映画コレクション 名優が演じる犯罪の世界」の一枚。ロバート・ワイズ監督作品。[ウエスト・サイド物語](1961)の監督の34歳頃の作品。主演はボクサーであるストーカーをロバート・ライアン(撮影当時39歳)、最近では[緑色の髪の少年](1948)で観ている。その妻ジュリー役はオードリー・トッター(撮影当時30歳)、地味な役柄である。

 解説には「ストーカーは三十路過ぎの落ち目のボクサー。彼が負け続けなのを良いことにマネージャーのタイニーは八百長に応じた上、ストーカーには黙ったままにしていた。絶好調のルーキー、ネルソンとの試合の行方はいかに。」、と。

 原題は、まずはまさしく「セットアップ」であり、「設定・準備」。そして「八百長・仕組まれたこと」。あと「事実関係・状況」や形容詞で「元気いっぱいの」といった意味合いも含めているのだろう。

 「準備」としては、ボクサーであることを辞めた後への準備の意味のようだ。要するに妻からすれば、命の危険のある仕事を辞めて、他のどんなことでもいいから安全な仕事を、と願っているわけだ。

 ということで「罠」(わな)という邦題は、それに誘われて映画館に来る人がいるだろうが、どうかと思う。

 ボクシングのファイトシーンはやはり手に汗握る、というやつだ。その間、観客の何人かを定点観測的に映し出している。なかなかそれが面白い。それと何より時計を何度も映し出すことから気がついたのだが、映画の中の時間と上映時間を一致させている。つまり夜の9時5分から10時17分まで。

 あと、ストーカーがリングに上がるまでに、他のボクサーたちの人生模様も上手く紹介している。同時にストーカーという人間の人柄もうかがえるように。

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