![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/129865497/rectangle_large_type_2_e5c090e25bdb1c5880f51ca744ca855b.png?width=800)
【こんな映画でした】693.[靴をなくした天使]
2020年10月28日 (水曜) [靴をなくした天使](1992年 HERO ヒーロー/靴をなくした天使 アメリカ 118分)
『幸福までの長い距離』(辻邦生)に紹介されていたスティーヴン・フリアーズ監督作品。[疑惑のチャンピオン](2015)を観ている。ダスティン・ホフマンに、アンディ・ガルシア。そして女性リポーターにジーナ・デイヴィス、彼女は[テルマ&ルイーズ](1991)で観ている。
いかにもアメリカだと思うのは、ヒーロー願望。それに対して上手く言わせている。つまり誰にもその心の中にヒーローはあるんだ、と。仏教的な考え方で言えば、誰にでも仏性が備わっているといったところか。
しかし現代では、ヒーローもマスコミによって作られるということ。それを如実に描く。人は喜んでその嘘に騙されるのかもしれない。息子のジョーイに言う。世の中のことはみんな嘘ばかり。自分はどの嘘を信じるかが問題だ、と。なかなかのことを父親として言っている。
とまれラストは、いかにもアメリカ的な実利的な解決を取っている。所詮、ヒーローが大事なのであって、その中身の人間はロボットであり、極論すれば誰でもいいのだろう。あとはテレビでいくらでも美化できるので。
ということで今作は、娯楽とはいえマスコミのあり方を批判する視点も失ってない佳作と言えようか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?