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【こんな映画でした】441.[父の祈りを]

2022年 6月24日 (金曜) [父の祈りを](1993年 IN THE NAME OF THE FATHER イギリス/アメリカ 133分)

 ジム・シェリダン監督作品。初めて。アイルランド人である。このような内容の映画からして、やはり監督はアイルランド人であった。自らの所属する国家アイルランドに内在する問題を摘出するためには、アイルランド人であることが必須だとも言えよう。特にIRAとの関係は、私には分からないが微妙な問題があったことだろう。

 ただアラン・パーカー監督の[アンジェラの灰]のような例もあるが(彼はイギリス人である)、それは絶対にアイルランド人監督でないと描けないというわけではない。今作のようにイギリスという国家の不正を暴く内容の場合、多くの俳優たちはイギリス人であり、難しいところがあったのではないかと思う。とまれ事実は事実であり、それを公にすることは両国にとっても利益となるだろう。

 息子ジェリーをダニエル・デイ=ルイス(撮影当時35歳)、[ガンジー](1982)・[存在の耐えられない軽さ](1988)を観ている。父親役のピート・ポスルスウェイト(撮影当時47歳)は、何と言っても印象的なのが[ブラス!](1996)であろう。あと[シッピング・ニュース](2001)・[ナイロビの蜂](2005)・[イーオン・フラックス](2005)でも観ている。

 彼ら無実の親子を助けることになる弁護士ピアースをエマ・トンプソン(撮影当時33歳)。今作と同じ年の[日の名残り](1993)が特に印象深い。あと[いつか晴れた日に](1995)・[17歳の肖像](2009)・[ヒトラーへの285枚の葉書](2016)を観ている。良い顔をしている。

 ともかく緊迫した内容にぐいぐいと引きこまれ、一気に観てしまった。父親と息子との齟齬についても、それぞれが違う印象や思いを持って見ていたことが分かる。これは彼らだけではなく一般的であろう。

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