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【こんな映画でした】444.[砂の器]

2022年 8月30日 (火曜) [砂の器](143分 1974年)

 野村芳太郎監督作品。映画館で1975年4月29日に観て以来、これで三回目となる。二回目は2014年9月2日に購入した中古のVHSで。そして今回はようやく手に入れたブルーレイディスクで。もっともブルーレイディスクとはいえ、2005年のデジタルリマスター版をそのままブルーレイディスクにしただけのもので、正直に言えばその画質・色合いにはがっかりした。つまりこの17年間で、おそらく技術はもっと進んでいると思うのだが。

 今作は映画評論家・双葉十三郎によると、氏が最高得点を付するわずか10本内外の邦画作品の一つ。なお淀川長治も激賞している。この二人の色合いの違った評論家に評価されているほどの映画である。

 セリフの言い間違えがあった(と思った)。最初、映画館で観たときに気が付いたかどうかは覚えてないが、VHSで観た時に分かった。警察の会議の席で、上席の警察官が、元浦秀夫の人生について「順風満帆」という言葉を使うのだが、「じゅんぷうまんぽ」と言っていた。編集の際に分かりそうなものなのに、チェックされてなかったのか? 

 と、ここまで書いてきて、やはり編集の際にチェックされないはずはなかろう、と思い至った。なんせ脚本家は橋本忍・山田洋次なのである。なお編集は「太田和夫」となっている。もちろん知らない、というか私はまだ編集者までチェックをするほどには映画通ではない素人である。

 で、あらためてネットで検索してみると、私の仮説・推理は「当時としては」間違いであった。現在では「じゅんぷうまんぱん」が唯一の正解とされているとのこと。ただこの映画が作られた1974年頃は、まだそれが定着しておらず両方ともに正解であったそうだ。映画の中の「じゅんぷうまんぽ」は間違いではないことが分かった。言葉の変遷の時期がちょうどこの時期に当たっていたということだろう。言葉遣いは難しいものだ。

 このように今回観て、気が付いて良かった。ただ今後もこれはちゃんとアナウンスしておかないと、トラブルだろう。DVDの解説にでも付記しておくと親切だ。

 さて本編に関しては、やはり子役の春田和秀(1966年生まれ、撮影当時7~8歳)が良い。最近、イベントで撮影時の思い出を語り出したとのこと。ネットで見つけた。映画はやはり子役と動物であり、キャスティングに尽きるということか。ただ残念なのは、この子役の名前がDVDの「キャスト」のリストに入れられていないのだ。確かに他にそうそうたるメンバーがいるから、スペースの関係であぶれたのかもしれないが。

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