見出し画像

【こんな映画でした】808.[最後の晩餐]

2023年 1月21日 (土曜) [最後の晩餐](1973年 LA GRANDE BOUFFE フランス/イタリア 125分)

 マルコ・フェレーリ監督作品。原題は、「巨大な・たくさんの食べ物」、あるいは「素晴らしい食べ物」とも。たしかに途轍もない量の食材が運び込まれている。

 有名な4人の男優が演じている。マルチェロ・マストロヤンニ、ミッシェル・ピコリ、フィリップ・ノワレ。ウーゴ・トニャッツィだけは初めて。人間の欲望というものは際限のないものと思われているが、それをとことん追求する映画といえるか。

 まず食欲である。ともかく食べる、食べる。明けても暮れても食べまくるのだ。その仕入れている食材の凄いこと。これが原題の意味であろう。ただその食べるシーンで、壁面にスライドで女性のヌードを映し出し、それを見ながら食べるという趣向があった。

 それでは満足できないということであろう、生身の人間を呼ぶことにする。娼婦ということになる。3人。さらに昼間、生徒たちと見学に来ていた先生を招待していたので、つごう4人の女性となる。しばらくは彼女たちとのいちゃいちゃが続く。

 娼婦たちは、彼ら男性の食欲に呆れ果て順次帰っていく。最後までいたのは若い先生。容姿は娼婦たちにはかなわないが、男性たちには優しくしてくれる。ということで最後まで彼女が付き合うことになる。

 以下、男性4人がこれまた順次亡くなっていくことになる。そもそも自殺願望で、最後に食べられるだけ食べて、そして死のうということだったらしいのだ(だんだんと分かってくる)。まず亡くなるのはマルチェロ・マストロヤンニで、彼は食べるだけでは死ねないとして、真夜中の寒い中庭でオープンカーに乗ったまま凍死することに。

 あとの3人は文字通り・予定通り、食べて、その結果として(複合的な原因があるだろうが)死んでいく。最後にその屋敷に残ったのは先生と何匹かの犬たち。こんなふうな凄まじい内容の映画であった。

 この映画から何を汲み取るかは、人それぞれである。私にすれば、所詮、人間の欲望など多寡が知れている。もし何なら徹底的に試してみたらいい。この映画にあるような程度のものなのだ。そんなふうに認識することができるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?