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【こんな映画でした】145.[アバウト・シュミット]

2021年11月 4日 (木曜) [アバウト・シュミット](2002年 ABOUT SCHMIDT アメリカ 125分)

 アレクサンダー・ペイン監督作品。ジャック・ニコルソン(撮影当時63歳くらいか、役柄は66歳)。キャシー・ベイツ(撮影当時53歳)がいつもと違う感じで出ている。何と入浴シーンも。

 オープニングシーンはオフィス。時計を映しだし、午後五時まであと数十秒。ジャック・ニコルソンが手持ち無沙汰にその定年退職の時間を待っている。――ということで、定年後の66歳の男性の話である。まさに「アバウト シュミット」、「シュミットについて」。

 誰もがそのようになるとは限らないが、かなり一般的にシュミット氏のような傾向となるのだろう。仕事がなくなって何もすることがない、ということに気がつくパターン。つい甘い言葉・外交辞令にだまされて会社へ(遊びに)行ってしまい、手痛い目にあうことに(もう二度と行かないだろうが)。

 そして突然の妻の死。定年退職後、妻から離婚されるというのがあるが、ここでは42年間連れ添った妻ヘレンに先立たれてしまう。もはや熱情はなくても愛していたはずのパートナーを失い、ショック状態に。一人娘がまもなく結婚しようとしていたが、どうもその父娘関係は良くないのが分かってくる。結婚相手が気に入らない。長年の経験からその男はダメだ、結婚するなとしつこく娘ジーニー(ホープ・デイヴィス、撮影当時37歳)に言う。もちろん受け入れられるわけがない。

 最終的に、結婚式では形ばかりの祝辞を述べ、ある種絶望して故郷に戻っていく。この一連の流れを、フォスターペアレントとしてアフリカの6歳の男の子に手紙を書く形で自らナレーションするように描いている。

 ラストシーンはその男の子からの絵が送付されて来、見ながら涙するアップで終わる。これから彼は生き生きとやっていけるのだろうか。余計な心配だが。

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